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生きることは、食べること。日本の「おいしい」を味わう映画

2015/02/11 08:00 投稿

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東北のある村にある小さな集落。約1年間、岩手県でオールロケで撮影した、春・夏・秋・冬を描いた4部作の映画『リトル・フォレスト』。昨年の8月に公開された「夏・秋」編に続き、完結編となる「冬・春」編が公開されます。 生きていくことは、食べていくこと

主人公のいち子の成長過程、という全体のテーマはあるのですが、この映画では季節の移ろいと、食べることをていねいに描いていきます。畑を耕し、収穫し、手を加えて食べる。その繰り返しなのですが、単調に感じるどころか、季節に合わせて少しずつ食材や調理法が変わっていくことがとてもおもしろくて、スクリーンから目が離せません。本来、生きるとは、耕し、収穫し、食べる、の繰り返しなのかも、と考えさせられます。

冬には、甘酒とかぼちゃを使った3色ケーキ、春にはふきのとうで作る味噌、ノビルを使ったパスタなど。その季節ならではの知恵がつまった食事が作られます。冬には大根を家の外につるして雪にさらし「寒さも調味料のひとつ」と言っていたのがとても印象的でした。食と季節とが密接にかかわり合っている。そして、どれもほんとうにおいしそうなんです。

「自然のくれたものが、一番のごちそう」

この映画に寄せる、料理家のみなさんのコメントからも「食の魅力」が伝わってきます。

春になれば冬の準備をし、冬が来る前に春の準備をする。

四季の移り変わりは同じところをクルクル回り続けているようにみえるけれど、実はらせん階段。人はその中で成長している

効率という便利さと引き換えに失ってしまったもの、つい忘れがちな自然への謙虚さに気付かせてもらった映画でした。

奥薗壽子さん(家庭料理研究家)

笑うのも泣くのも空も光も土も動物も言葉も、料理になっている

どこにも境い目のないこの正直な映画を私は食べてしまいたい。

高山なおみさん(料理家)

一度も行ったことがない土地なのに、どうしてこう懐かしい気持ちになるんだろう。

せつなくなるほど美しい景色。胸はきゅんとするのに、お腹はきゅうっと鳴りました。

自然のくれたものが、一番のごちそうなんですね

枝元なほみさん(料理家)

また、映画では「らせん」という言葉がキーワードになっています。

同じところでつまずき、ただぐるぐるとまわっているように感じる自分の人生に、いち子は自信が持てない。でも、同じように見えても、経験を積むことで、実は人生もらせんのように上がったり下がったりしているんだという気づきにつながる。そう思えたのは、季節が巡るという繰り返しのなかにも、同じに見えて同じじゃない、らせんの要素があったから。

繰り返し続けることの大切さを感じる作品です。

[リトル・フォレスト 冬・春]

監督・脚本:森淳一

出演:橋本愛、三浦貴大、桐島かれん

フードディレクション:eatrip

2月14日より全国ロードショー

(c)リトル・フォレスト制作委員会

『リトル・フォレスト 夏・秋』ブルーレイ、DVD発売中

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