「お稲荷さまの誕生日」とも言われ親しまれている初午の日には、稲荷大神が稲荷山の三ヶ峰に初めてご鎮座になった日をしのび、多くの稲荷社で初午祭がおこなわれます。2015年の初午は2月11日。くしくも建国記念日と同じ日です。
初午祭では「しるしの杉」を2月にはじめてむかえる午の日が初午です。そして初午祭は大神の広大無辺なるご神威を仰ぎ奉るお祭です。初午祭で授与される「しるしの杉」は商売繁盛・家内安全の御符として、古くから拝受する風習があります。「今昔物語」や「枕草子」でも初午詣のようすが書かれ、当時の信仰ぶりがうかがえます。
ちなみに稲荷神社の総本宮である京都の伏見稲荷大社は、無数につづく神秘的な朱い鳥居が有名です。この鳥居の朱の原材料は水銀で、木材の防腐剤としてつかわれてきたという背景もあるそうですが、そのほかにも朱色は魔よけの色、豊穣の色でもあるそうです。
建国記念日と重なるめでたい日また、2月11日は、最初の天皇といわれる神武天皇が日本を整え治め、建国した日でもあります。この日には、多くの神社で紀元祭が催されています。ことしの初午はこの建国記念日(祝日)と重なるため、初午詣に行く人も多いのではないでしょうか。
都内で初午に初午祭を行う稲荷神社は赤坂・豊川稲荷東京別院、大田区・穴守稲荷神社などがあります。なかには台東区・千束稲荷神社など、初午ではなく二の午の日に初午祭を行う神社もあるのでご注意を。
[大切にしたい、にっぽんの暮らし,なんで水には色がないの?,伏見稲荷大社]
japanese-shrine via Shutterstock