美術家の奈良美智さんと、写真家であり冒険家としても知られる石川直樹さん。一見なんの接点もないようにみられるふたりが北へ向かった旅の軌跡をたどることができる企画展「奈良美智＆石川直樹展 北へ」が現在、「ワタリウム美術館」で開催中です。
ふたりの視点でみた旅の風景
青森から北海道、北海道からさらに北上し、サハリンにまで足をのばした奈良さんと石川さん。写真や日記などの記録、旅で実際につかった靴やリュックといった道具たちの展示をとおして、旅の物語が綴られています。旅先で見た景色や出会った人びとが、奈良さんと石川さんおのおのの視点をとおして語られ、描かれています。
違う人間をとおしてみた旅の軌跡ですが、奈良さんの作品に登場するような女の子が石川さんの写真に出てきたり、かと思えば、おなじ瞬間を切りとってもふたりがまったく異なるものを見ていたり......。
会期中は何度でも入場できる見る側にも多くの発見があり、受け取り方もきっとさまざま。果たして、ふたりの旅をとおして紡がれた物語とは？ それは、見る者ひとりひとりのなかに、それぞれの答えをもって生まれてくるはず。
思わず見ているこちらも北へ向かいたくなる、そんな企画展。チケットは会期中何度でも入場できるパスポート制になっているというので、いつもポケットに忍ばせておいて、散歩の途中にふらりと立ち寄ってみたくなります。
会期：2015年5月10日（日）まで
休館日：月曜日（5月4日は開館）
住所：〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-7-6 ワタリウム美術館
時間：11：00～19：00（毎週水曜日は21時まで延長）
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