歴史上の偉人と呼ばれる人物を見てみると、何かをしようとしたときには人から罵倒されたり、けなされている人がほとんどです。人からの「イイネ」を集めて偉人になったという人は、まずいません。
(『肝をゆるめる身体作法』p6~7より引用)
これは、偉人たちが非難をされても気にしない鋼鉄の心臓を持っていた、ということではありません。彼らは自称・臆病者だったりするのですが、それを乗り越えて事を成したということなのです。
不安や緊張対策のポイントは、肝にありその答えは肝だ!と『肝をゆるめる身体作法』の著者で能楽師でありロルファーでもある安田登さんは言います。ここでの肝とは、肝臓ではなく内臓全般のこと。不安や緊張対策のポイントはなんと内臓をゆるめることにあるというのです。
覚悟を決めることを「肝を据える」と言うように、重要なことを「そこがキモだ」と言うように、日本人の心の居場所は「肝」。不安や緊張があると、肝はこわばってしまいます。でも肝がゆるんでいれば、たとえ罵倒されてもけなされても、受け流していくことができ、ここぞというときには、あるべき場所にデンと肝を据えることができるのだそうです。
硬い枝は折れやすいけれど、柳の枝は折れにくい。こわばっていると座りが悪いものも、ゆるんでいるとドッシリ置くことができる。不安や緊張に振り回されずに進むためのコツは、肝をゆるめることにあったのです。
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