この美しいスプーン、実は 「戦争の負の遺産」を溶かして作られたものです。
第二次インドシナ戦争時にアメリカ軍により200万トンもの爆弾が投下されたラオスは、国民一人当たりにすると、世界で一番たくさんの爆撃を受けた国になっているのだそう。今もなお地中に埋もれてるクラスター爆弾は、ラオス国民の生活にさまざまな弊害をもたらしています。
悲惨な戦争のあったラオスに残された不発弾や米軍兵が残していったアルミの食器、飛行機の残骸などの「戦争の負の遺産」を溶かして作られたものが、「【from bombs to peace】プロダクト」と名付けられた製品。このスプーン以外に、ブレスレットやペンダントなどもあります。
これらは、ラオス東北部にあるナピア村で、村民自らがひとつひとつ作っています。不発弾をスプーンに変えることが、作り手の家計を支え、村の発展や不発弾の除去をサポートすることになるのです。
スプーンそのものの魅力も感じて「このメッセージプロダクトを通して、少しでも多くの人々にラオスの現状を知ってほしく、また地雷除去のサポートをしていただけたらうれしいです」と語るのは、【from bombs to peace】プロダクトを企画した、「fabrica fabrico(ファブリカファブリコ)」の代表、伊藤美保さん。
同時に、スプーンそのものの魅力について感じてほしいとも。
「ラオスの悲惨な現状を知っていただきたいことはもちろんですが、私はこの素朴で何とも味のある独特の質感とフォルムのプロダクトに惚れこんでいるのです」(伊藤さん)
「地雷」という「いのちを奪うもの」を再生して、「スプーン」という「いのちを育むもの」へと生まれ変わらせる。これはある意味、究極のアップサイクル製品と言えるのではないかと思います。
10月22日(水)~24日(金)に渋谷ヒカリエで開催される「PLUG IN」に出展するということ。実際に手に取って、平和への思いを新たにしたいと思います。