「La Recyclerie」は、かつて人びとが旅の出発点、着地点として利用していた場所に、この時代の人びとが求める生き方やものを取りそろえ、活気を呼び戻そうとしたスポットでもあります。そのコンセプトの根底にある考えは、「物を減らす」「再利用」「Do it Yourself」の3つなのだそう。
ラ・ルシクレリ正面とキャラバンショップのワゴン
「La Recyclerie」自体、ランプや床、家具類は全てリサイクルのものを使用して作ったといいます。例えば敷地内に作られたバーカウンターは、古い板からできています。こうして、ただ新しい物を買って捨てるという暮らしから、古くなったものを修理したりリサイクルしたりすることで再利用していくことを提案します。
使わない物をため込まないライフスタイルを目指す。壊れたラジオやトースターなども、自分で修理できるようにする。そんなライフスタイルを共有しようと誕生したスポットからは、古き良き時代のパリジャンの暮らしをリバイバルするようかのような雰囲気が感じられます。
誰もがふらりと立ち寄り、必要なものを探せる場所「La Recyclerie」内には、片目のとれた人形から脚の壊れた机まで、どんなに小さな修理でも受け付けてくれるアトリエ「Chez René」があります。またこちらでは、ブリコラージュをする(自分自身で修繕する)機会も提供してくれるのだそう。
さらに、フードトラックで注文した料理を、開放的なテラスで食べられるカフェ&レストラン、朝仕事に行く前に、カフェとクロワッサンをテイクアウトできるサービス、そして、新鮮な野菜をマルシェに買いに行く時間がない人のために、仕事帰りに産地直送の野菜をとりに来られるオンラインサービスも近々オープンするのだとか。
古くて味のある物をリユースした、緑や生活感が溢れるシックなスポットは、商業目的のショッピングセンターでは得られない、趣きある暮らしや安心感を得ることができそう。子どもや大人が集まれるアトリエも定期的に開催するなど、地元の人が何気ない生活の中で楽しみを見つけられる場所として、重宝されています。
使われなくなった駅の線路沿いにテラスが。