日本でも数年前からブームとなり、いまや定着した感のある座禅。これが今「ZAZEN」として、ドイツで火がつきはじめています。
北部にはプロテスタントが多く、南部に行けばいくほどカソリックの方が多いドイツですが、近年、教会の不祥事などによりその信用は下がっています。また一方で、訪独が続いたダライ・ラマの教えに魅了され、仏教に興味を持つ人が増えました。この流れから、座禅へとたどりついた人も多くいるようです。
アーティストやスポーツ選手にも、座禅に取り組んでいる人は多いよう。歌であれ演劇であれ、素晴らしいパフォーマンスは、心の底からわきあがる情熱や感情によってもたらされる部分が多くあります。しかしそれを発揮する一瞬のために、日頃は非常に規律のある生活を送り、感情の部分をおさえて生活している人も多いはず。すべてを解き放つ一瞬と、そこにむけてすべてを整えていこうとする時間。その中で精神のバランスを保つために、脚を組んで目を閉じ「いまここ」という瞬間を大事にすることを学ぶ。シンプルに生き、シンプルに考え、自分の内側だけに集中する。そうすることにより、また創造力や集中力を高めていける。そんな理由から、彼らは座禅を組むのかもしれません。
美しい鎌倉で、自分と向かい合う筆者がおすすめしたいのは、鎌倉・建長寺の座禅会。けんちん汁発祥のお寺としても知られる、由緒正しいお寺です。春には桜が咲き乱れ、夏にはハスが咲き誇る「いとおかし」の世界が体験できます。これからの季節は、紅葉の中で座禅ができるでしょう。厳かで、癒しと元気がもらえるパワースポットとしても大変人気の場所。座禅会は毎週金曜日と土曜日の17時から行われています。また、建長寺の龍王殿脇には、いつでも座禅ができる場所も用意されています。自分を見るめるのにぴったりな場所。美しい鎌倉を散策した後、この座禅会にぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
日時:毎週金曜・土曜 17時〜18時
費用:無料(建長寺の拝観料300円は必要)
場所:神奈川県鎌倉市山ノ内8 臨済宗建長寺派 大本山 建長寺
[Wolfgang Walter, E'un Ken Zen-Lehreralter、臨済宗建長寺派 大本山 建長寺]
zen image via shutterstock