どこにいくにもスマートフォンが手放せない、そんなあなたはもしかして「フォーモ・シンドローム」かも。これは英語でFOMO(Fear Of Missing Out)といい、つねに世の中から取り残されてしまうのではないかという不安に苛まれ、食事中だろうと入浴中だろうと、スマートフォンをチェックしている人たちのことを指します。

そんな人に、スマートフォンからちょっとだけ離れることの効果をご紹介したいと思います。

スイッチを切ることでつながる絆

大事なニュースが世界中どこにいてもすぐに入手できる便利さ、災害時につながるネットワークなどを考えると、スマートフォンは確かにとても便利で、世界中がポジティブに変化していることは事実です。

スマホは「使い方次第である」という意見もありますが、まさにその通り。つけっぱなしではなく、毎日決まった時間に、自分の時間を作るために「スイッチを切る」という、シンプルなルールを自分で設けてみてはどうでしょうか。

一緒に誰かとカフェに行き、相手が横に座っているにもかかわらず、新聞や雑誌を広げたり、スマートフォンに夢中になったりするのはマナー違反です。

食事の時間は、食事をゆっくり楽しむ。外に出て散歩をして新鮮な空気を吸う。静かに本を読む時間を設ける。あるいは子どもと一緒に台所に立って学校での出来事を話す。「ながら」のない、ひとつのことに集中する時間を持ち、人と、空間と、時間と、そして自分との対話してはどうでしょうか?

これは、昔の人たちは当たり前のこととしてしてきたこと。人の表情を見ることに集中したり、相手との会話の内容を掘りさげたりすることの方がはるかに大切です。

情報を得ること=しあわせ、ではない

絶え間なく入ってくる情報は、自分にとってどれほど役に立ったのだろうか、と考えたことがありますか? びっくりするほどその内容を思い出せなかったり、じつは情報をプライオリティーにそって振りわけて処理することの方が面倒くさいと感じることがしばしばあります。

心理学からの側面で考えると、「自分のいま」という時間を大事に使うことを真剣に考える人は、遠くの将来について不安を抱えることが少なく、総じて幸せである、という調査結果が出ています。つまりは"Carpe Diem"、ラテン語で「君の今を生きろ」のコンセプトです。さらに、幸せ度の高い人というのは、いわゆる「バランスの取れた時間へのとらえ方」を持っている人のことをいうのだそう。

これはつまり、過去・現在・未来という時間の明確な区切れがないために、緩やかに時が流れているということ。過去の失敗を思い出しては、これからの自分のために活かすことをしたり、未来のいつかに成し遂げたいことを逆算して、今からできる努力を重ねていくこと、等。

Boniwell and Zimbardo 2004 より抜粋)

どうしてもスマートフォンを「いま、いじらなくてはいけない必要性」にとらわれないために、いつも肩の力が抜けている感覚を持っていることが大切なのです。

スイッチを切ることで、他人との絆だけでなく、もう一度自分が何をしたいのか、自分とは何か?を見直す。いつも何かをしなくてはならない必要性からちょっと抜けだす。そうすることで自分のこころとつながることができるのです。

[Positive Psychology UK]

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