「もうすこしウエストが細かったら」といったパーツの悩みから「みんなに愛されるような美人であったなら」なんて性格を含めたものまで。誰もが多かれ少なかれ、悩みを抱えています。でもそれは、あなたがあなた自身をとらえた「自己認識」の姿。
では、他の人は自分のことをどんな風に見ているか、考えたことがありますか?
自身の見ている「自分」と他人が見る「自分」の違いアメリカでこんな実験が行われました。刑事もののドラマで観たことのある、鏡のある取調室。そこにさまざまな人々を招待し、自身の抱える外見の悩みについて話してもらいます。本人には知らされていませんが、取調室のトリック鏡の裏には赤の他人がいて、淡々と語るその人物を観察、彼や彼女の与える第一印象について正直に打ちあけてもらうというものです。ただし、本人が悩んでいる体のパーツなど、本人の声はその他人たちには聞かされていません。
その後、実験のネタをあかし、他人からのフィードバックを本人に直接伝えるのです。
あるアジア人男性の「この丸顔が好きじゃない。頬骨が気になるんだ」というコメントにも、「一緒にパーティーしたら楽しそうな人だね! 引き寄せられるような雰囲気がある」、あるいは「私はこの棒足が嫌いなの」という女性には、「すっごいスタイルがいい。こんなスタイルだったら誰だってラッキーなはずなのに!」など、他人の評価はどれもとてもポジティブなものばかりでした。
„What do strangers think of you?" (You tube Buzzfeed video 英語)
この実験からわかるのは、自分が欠点であると思う部分が必ずしも他人から見たらそれとは一致しない、ということ。それどころか、全く逆の見方をされている場合が多いことがわかりました。
メディアの女性像に振り回されるわたしたち他人を見る時の第一印象は、部分的なものではなく、雰囲気も含めてポジティブな「一個人」を全体的に見ていることがわかったのです。さらに、このポジティブなフィードバックを受けることで、自分の抱える悩みなどはどんな小さなものだったのかということに気づき、本来の自分に自信がつくということが証明されました。
このビデオはアメリカばかりでなく、全世界の女性に非常に大きな影響を与えたのでした。
女性はどうして自分の外見について不満を持ってしまうのでしょう? 専門家によると、メディアなどで取り上げられる「完璧な女性の美の形」のようなものができあがっており、女性はどうしても比べあう傾向にあるのだとか。その「理想」と自分とかけ離れていればいるほど、自分の外見に対してより大きな不満を抱えやすいのだと精神科医のカタリナ・オハラ博士は言います。
自分には、誰とも違う唯一の価値があるはず心理学の用語で"Self-fulfilling prophency"(自己充足的予言)というものがあります。これは、例えば「人が不親切なのは、私がデブだからだ」、「だから店に行くといつも店員さんが見下したような態度をする」などと、ある状況が本当にあるんだと定義した結果、口にだしたことが現実のものとなるということ。つまり、自分自身をネガティブにとらえてしまうと、本当にネガティブな結果がついてきてしまうのです。
私たちは時として自己評価を低くしがちですが、自分を卑下するような発言を避け、もう少し自分という存在をケアし、やさしい目で見守ってあげる必要があるようです。
自分と誰かと比べた時にはその優劣に気を取られてしまいがちですが、比べることをやめれば、自分には誰とも比べられない唯一の価値がある、と気づくはずです。
woman-lying-in-a-hammock via Shutterstock
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