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富士山色のかき氷。甲斐みのり「コンフォート雑貨のある暮らし」

2014/07/31 20:00 投稿

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子どもの頃の夏休みの楽しみは、プール帰りのかき氷。姉や友だちがいちごやメロンのシロップを選ぶ中、私の定番はブルーハワイ。鮮やかな青のシロップは南国の海や空をイメージしてその名がつけられたのだろうが、静岡県富士宮市という富士の裾野に生まれ育った子どもたちにとって、それは富士山色だった。

暑い季節は霞に隠れ、富士山を拝める時間は1年のうちでもっとも少ない。それでもときどき夕暮れどきの帰り道、くっきりとした稜線に群青色の富士山と向かい合えることがあって、幼心に神々しさを感じて足をとめ、流れ星に祈るように願いごとを唱えたりした。

富士山クリームソーダ。「富士山茶屋」のテラス席は竹に囲まれ、涼しい風が通り抜ける。

この週末、少し前にご紹介した「クレマチスの丘」にある、「日本料理 tessen」1階のカフェ「富士山茶屋」で、富士山クリームソーダと富士山かき氷を食べた。富士山クリームソーダは、富士山型のグラスに富士山の天然水を使った富士山サーダーを注ぎ、アイスクリームをのせたもの。

富士山かき氷は、富士山色の氷の中にアイスクリームがかくれている。静岡県東部に所在する、クレマチスの丘ならではのメニュー。まだ口の中に含む前、目の前に運ばれてきた途端にたちまち暑気は消え去り、そのまま夜まで爽涼と過ごした。

 富士山かき氷(夏季限定)。氷の中に、アイスクリームが隠れている。

クレマチスの丘の「ベルナール・ビュフェ美術館」では、7月19日(土)~9月28日(日)まで、歌川広重「保永堂版 東海道五拾三次」と、3人の現代作家の作品を紹介する「日本の原風景を描く 広重の『東海道五拾三次』と現代作家たち」が開催中。

日本の原風景が描かれていると言われる広重の作品と、そこからインスピレーションを得た同時代に生きる作家たちの作品を通して、自分にとっての原風景とはなにか、自らと向き合うきっかけになるだろう。

カフェ「TERRHOUSE」の赤富士ゼリー。「日本の原風景を描く 広重の『東海道五拾三次』と現代作家たち」の特別メニュー。

企画展に合わせて、美術館隣接のカフェ「TERRHOUSE」では赤富士ゼリーが味わえたり、本や雑貨が並ぶショップには、静岡発のプロダクトブランド「goodbymarket」や「Floyd」による富士山グッズも並ぶ。

それから、私が選んだ東海道のおみやげのコーナーも。沼津宿は「teteria」の紅茶、吉原宿はトイレットペーパー、掛川宿は私が監修した茶箱......というふうに、東海道の旧宿場町に合わせて土地土地の"いいもの"を紹介・販売。ちょっとした物産展のような楽しい一角ができていた。

 9月21日(日)には、東海道の旅を案内するトークショーもおこなうので、心は弥次さん喜多さんになりきって、ともに東海道を仮想旅いたしましょう。

あらゆる富士山グッズが並ぶ、ショップ「TERRHOUSE」。

静岡みやげや、プレゼント選びに。富士山モチーフのデザインは、思わずうなるものばかり。

私が監修をおこなった、富士山ラベルの茶箱も。

「日本の原風景を描く 広重の『東海道五拾三次』と現代作家たち」のチラシ。歌川広重とともに、山口晃さん、竹﨑和征さん、イケムラレイコさんの作品を展示。

「日本の原風景を描く 広重の『東海道五拾三次』と現代作家たち」では、親子で江戸時代の旅人に変身して記念撮影できるコーナーも。

「ベルナール・ビュフェ美術館」内には、子どもが楽しく美術と触れ合える「ビュフェこども美術館」があり、みんな夢中で遊んでいる。

『東海道新幹線 各駅停車の旅』トークイベント

『東海道新幹線 各駅停車の旅』(ウェッジ)の著者である甲斐みのりが、広重の「東海道五拾三次」にも描かれた場所の魅力について、現代の私たちが出会える風景について語ります。富士山周辺の旅の案内をおこなう秋発売の新刊からも秘蔵のお話を。企画展開催中は、ミュージアムショップ・TREEHOUSEで、甲斐みのりが選ぶ東海道みやげのを展示販売もおこなわれています。

日時 9月21日(日) 14:00--15:30

出演 甲斐 みのり

会場 ベルナール・ビュフェ美術館 

料金 入館料のみ 

※要予約 TEL 055-986-1300 

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