ハワイ島では一部の地域を除いて公共の水道が普及していません。「水道がないのにいったいどうやって生活しているの? 」と初めて知ったときは驚きましたが、水道に代わる設備がしっかり普及していました。

水道がない家では一般的に「キャッチメント」という装置を設置しています。これは雨水を保存するシステムで、基本的には家の屋根から雨水を集め、浄化してからタンクに流し込むというもの。水はタンクから水道管を通り、何度か浄化され、蛇口から水が出てくるようになっています。自然の恵みを利用した、まさにサステイナブルなシステムなのです!

ハワイ島の東から南にかけては、水道が普及していない場所が特に多く、3~6万世帯がキャッチメントを使用していると推定されています(ハワイ島の人口は約18万人)。キャッチメントは住宅だけでなく、農業にも広く用いられています

生活と降雨量に合わせて適切な大きさのタンクを設置するので、水が足りなくなるということはめったにないのですが、昨年の雨季は雨が記録的に少なく、「もうすぐタンクが空になってしまう!」という声をよく耳にしました。

飲料水としてミネラルウォーターを購入する人はたくさんいますが、生活用水のすべてを購入するとなると大変なことになってしまいます。こういう環境で生活していると、誰でも自然に水を大切にするようになります。

じつはハワイは慢性的に水が不足しているのです。ハワイの降雨量はこの100年間減少し続けていて、この20年間だけでも12パーセントも減少しているのだとか。飲料水は主に地下水を井戸から汲み上げて使用しているのですが、地下水の貯水レベルも激減しています。最悪のシナリオでは、あと15年で地下水が底をついてしまうといわれています。

人間の生存にもっとも重要な水。ハワイ島にきてから、水の大切さや、自然とのつながりを日常的に感じるようになりました。「水がないと生きられない」ということを、改めて実感しています。

[ハワイ州厚生省]

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