Valley of Dolls on Vimeo, by Fritz Schumann
徳島県にある人口37人の過疎化が進んだ美しい山岳の小さな村、名頃(なごろ)地区。日本ではあまり有名ではないのかもしれませんが、いまこの村がアメリカで話題になっています。
きっかけは留学中のドイツ人学生が制作したドキュメンタリー。村中に等身大のかかしを作り続けている女性について、6分ほどの短編フィルムを作成したところ、アメリカのニュースサイト「Huffington Post」に掲載され、たちまち話題に。
彼女が「かかし」を作りつづける理由
Valley of Dolls from Fritz Schumann on Vimeo
かかしを作りつづけているのは綾野月美さん。この村で幼少時代を過ごし、その後大阪へ引っ越したのち、10年ほど前に村に戻ってきます。
昔は産業が発達しており、何百人もの人が住んでいたそうですが、映画では、昔と変わらぬ村の美しさとともに、昔のような活気が戻って欲しいと願い、かかしを作り続けているのだそう。
カメラは月美さんの、村を守ろうとする懸命な姿を写します。切ないけれどとても心が温まるストーリーでした。
モデルは、村に住んでいた人たち2年前に廃校になった小学校。廃校になる前の様子を再現
Valley of Dolls on Vimeo, by Fritz Schumann
現在の村の人口は37人。かかしの数は350体ほどあり、廃校になった学校で勉強している子供のかかしや、川沿いで釣りをしているかかしなど、表情が豊かなかかしたちが村の人たちや村を訪れる人たちを迎えてくれます。多くのかかしは、実際に村に住んでいた人たちをモデルとして作られているそうです。
美しく、懐かしい雰囲気の村。時間がゆっくりと流れていく様子は、日々の忙しさに追われている私たちを穏やかで優しい気持ちにしてくれます。
現在は、月美さんがつくられたかかしを見に、全国から沢山の方がいらっしゃるとのこと。
実家が愛媛県なので、次回の帰省時には是非、名頃地区に足を運んでみたいと思います。