心がスッとする「あせらない方法」
探し物がみつからないとき、安請け合いをしてしまったとき、逆境にあっているときなど、生きていれば何度でもあせる瞬間があります。どうしてもあせってしまいがちな頭と心をスッキリさせる方法が書かれた本がありました。それは心の名医・斎藤茂太先生の著書『あせらない練習』です。
ちょっとした練習であせりはなくなるあせりはちょっとした練習でなくなると言う斎藤先生。その練習法の一例がこちらです。
・自分にあるものだけで、何ができるかを考える
・「誰かがそう言ったから」ではなく、「私がそう思ったから」で判断する
・笑いと大声と涙が、あせりを一気に吹き飛ばす
・失敗を真摯に認めれば、あせりは消える
・イヤなことを先に済ませれば、あせりは消える
どれも心にスッと入って納得できることばかりです。
こんな「お人よし」が不幸の種になることもなかでも女性ならではのこのとして語られたのが、人の不幸話に対する「お人よし」が原因のあせりです。女子会にありがちな「不幸自慢大会」。そこで語られる不幸話のなかには、他人に対する愚痴もあります。共感してあげようと思い「それは相手が悪いよ」とつい同調した女性が、べつの友達にこう言われたそうです。
どんなに不幸な境遇にあっても、人のせいにしているうちは立ち直れないよ。(中略)話につき合ってあげるのはいいけど、いっしょになって知りもしない人を悪者にしてどうするのよ
(あせらない練習139ページより引用)
たしかに彼女の言う通りです。よかれと思ってしたことですが、自分にとって知らない人を悪者にしてしまいました。
またその女性は愚痴を言う友達を慰めるつもりで「こんな不幸話もある」と、ほかの人の不幸話を教えてあげました。するとそれを聞いた相手が不幸話を共有したくなったのか、渦中の人たちと連絡をとりはじめ、そこで「誰から聞いた」と大騒ぎになったそうです。
斎藤先生はこう言います。
人の不幸には、向こうから話をしたら聞いてあげるだけで十分。それ以上のお人よしぶりを発揮すると、自分の不幸の種を育てることになります。
(同書141ページより引用)
このように女性同士の会話にありがちなあせりの種もあります。そのほかにも生きていればいたるところに、あせる原因はあります。あせりを感じたとき、一服のサプリメントとしてこの本が活躍してくれそうです。
[あせらない練習]
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