チョコレートやバナナに付いているフェアトレードラベルを見たことはありませんか? 日本でもフェアトレードの商品が身近になってきたと感じます。フェアトレードをまちぐるみで推進しようとする試みを、フェアトレードタウン運動と言います。
フェアトレードの課題いままでFTT運動は、フェアトレードラベルを普及することに注力してきました。途上国と協力しながら対等な信頼関係を築き、フェアトレード製品もじょじょに普及してきましたが、課題も多々ありました。
その課題とは、途上国の大規模開発により、フェアトレードが進まなくなってしまったこと。オーガニック栽培が困難になったなど、地域によっても異なりました。
「ビッグ・テント・アプローチ」という解決法
その課題を解決に導くべく、3月末に熊本で開催されたフェアトレードタウン国際会議では先進国や新興国と途上国など20の国と地域から、さまざまな報告がありました。
そのため、会議では多様な課題を包括的に解決へと導く「ビッグ・テント・アプローチ」という方法が中心になりました。これは、フェアトレードラベルの普及だけでなく、地域の活性化と環境への配慮なども考慮に入れた活動を指します。
今回の会議で、ちいさな取り組みを地道に進めていくことの難しさを感じましたが、諦めずやり続ける高い志も感じました。企業のCSRとしてフェアトレードが広がっていることもあり、可能性も感じられました。
フェアトレードタウン運動の広がり開催地の熊本市は、3年前にアジアで初めてフェアトレードシティと認定された都市です。
日本では、国内の名古屋、札幌、宇都宮などが、フェアトレードタウンを目指し活動しています。国内のフェアトレードも、フェアトレード商品を扱うだけでなく、地域への社会貢献を行ったりと多様化しています。
ラベルが付いていなくても、フェアな想いで作られたものを選んで買うことが、私たちにできるフェアトレードへの貢献のひとつだと感じました。
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