息子が仕掛けた罠に、それはそれはおおきなうなぎがかかっていました。直径7cmの立派な天然うなぎです。まるでうなぎがあるのを知っていたかのようなタイミングで、野生人のてっちゃんが遊びに来たので彼にさばいてもらうことに。
まず、氷でうなぎを30分ほど〆て仮死状態にします。元気なままだと、さばくときに乳酸が体内に充満して、身が酸っぱくなってしまうとか。
なるほど、いままで天然うなぎを自己流でさばいてましたが、なんともいえない酸味が気になっていました。原因はこれだったのね......。それに身もすごく固かったけれど、この下ごしらえをするとふっくら仕上がるそうです。
切れのいいペティナイフで開き、骨と内蔵は肝吸に、身に串を刺してスタンバイOK!
七輪で両面返しながら、タレをぬりつつ香ばしくじっくり焼きます。うなぎの香りに連れられて、近所の友人も集まってきました。ちなみにタレはみりんとアガベシロップと醤油を煮詰めて作った自家製。蒲焼きの場合、甘めがおいしい。
「りく(息子の名前)、よくやった!」
「すごいなぁ、りく」
「このうなぎは色も形もばっちりだよなぁ」
みな口々に褒めるので、当の本人は照れまくり。おいしそうに焼き上がったうなぎをてっちゃんがぶつ切りにして、まずは味見とてっちゃんがパクリ。
「うまい! やわらかい! 最高! みんな、喰って大丈夫!」
焼き手からゴーサインが出ました。神妙そうにりくが頬張ります。
「うん、おいしい」
みんなの手が次々と伸びて、あっという間に完食。なんとまぁ、はかない......。
なかなか普段口にしないうなぎ。
この日の朝、夫が撮った雲の写真がまるで「うなぎ」のようだったので、何か不思議なつながりを感じてしまいました。(なんて、ただの食いしん坊なだけですが!)