ソーホーやトライベッカ、ブルックリンのウィリアムズバーグは、すこし前までは誰も行きたがらない危険なエリアでした。
トレンドはアーティストがつくるそこへ地価の安さからアーティスト達が住みつき、ギャラリーやバーをオープン。にぎやかな街の雰囲気に惹かれて一般の人びとも集まってきます。やがて街全体が活性化し、トレンディなエリアとして観光客がやってくるようなりました。
そして今はというと、地価が高まり、住みにくくなったアーティスト達がウィリアムズバーグを出て、その周辺のグリーンポイントやブッシュウィックといったエリアに移り住むようなりました。こちらには、面白いレストランやショップ、ギャラリーが続々とオープンしています。
たとえば、グリーンポイントにある「Bellocq」は、クリエーターたちが始めたティーサロンです。「お茶は手頃に楽しめる毎日の贅沢」と語る彼ら。工場や倉庫だったエリアにあるとは思えない、とても洗練された空間です。
ブッシュウィックにある「The silent barn」は、地元アーティストのコミュニティ的存在。ビル一棟にDJスペース、ギャラリー、美容院、バーとアーティスト達が集まって自由にクリエイトした空間です。
バンドマンたちが遊び半分で倉庫を改装して始めたというピザ店の「Roberta」。いつも行列ができていて、なんとクリントン大統領夫妻がわざわざ食べに来ると言われるほどの人気店です。同レストランのシェフがはじめた「Blanca」は、テイスティングメニューのみを扱うイタリアンのお店。ひとり195ドルという、はかなり高めの値段にもかかわず数か月先まで予約が取れないほどの人気だそう。
洗練された雰囲気と昔の名残がミックスしたこんな地域こそ、本当のニューヨークの魅力かもしれません。