象牙のために一年間で3万頭以上のゾウが密猟されています。そんな悲しい現実を防ごうと、イギリスのNGOが立ちあがりました。そのユニークな秘策とは......?
私たちの普段の生活からは考えられないことですが、毎年何万頭ものゾウが、象牙をもぎとられた無惨な姿で息絶えている姿が発見されています。WCSによると、2012年には約3万5千頭のゾウが密猟のために殺されたという統計もあります。
そんなゾウを密猟の危険から守ろうと、イギリスのNGO団体「Space for Giants(スペースフォージャイアンツ)」がある試みをしています。
野生ゾウの「つぶやき」それは、アフリカのケニアに生息する4頭のゾウにGPSを装着し、そこから読み取れるゾウの行動をツイッターで生中継するという方法です。
ゾウの名前はそれぞれ、KIMANI(推定年齢28-32歳)、CARLOS(推定年齢25-30歳)、TYSON(推定年齢18-32歳)、EVGENY(推定年齢35歳)。
スペースフォージャイアンツのツイッターからは、
「Carlos:先週は57kmも旅をしたんだよ」
「Evgeny:一週間ずっと、農業エリアに入ったり出たりしてしまった。ここには十分動けるスペースがどこにもないよ」
「Space for Giants twitter」より引用
といった、ゾウの気持ちを代弁するようなツイートが送られています。
行動範囲の広いゾウを守るなぜGPSを取りつけるのかというと、活動範囲がとても広いゾウを観察するためなのだそう。ゾウを檻に閉じ込めず、野生のままで密猟の危険から守るのには限界があります。GPSをとりつければ、ゾウの異変や危険をすばやく察知でき、密猟の撲滅につながるのです。
そしてもうひとつ、GPSにはゾウと住民の共存をはかる目的もあります。住民にとって自分たちの敷地内や農業エリアにゾウが侵入するのは防ぎたいもの。トラブルを解決するためにも、NGO団体がゾウの動きを観察しています。
この慈善活動はイギリスの新聞「The Independent(インデペンデント紙)」からもサポートを受け、紙面にたびたびスペースフォージャイアンツの活動が登場しています。
暇つぶしになってしまいがちなツイッターも、動物を守るために使えるのですね。
「WCS,SPACE FOR GIANTS,Space for Giants twitter,The Independent]
Beautiful sunset image via Shutterstock
(下野真緒)
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