MARKAWARE/marka
石川俊介(いしかわしゅんすけ)
兵庫県出身、2002年A/Wにブランドをスタート。
09年S/Sそれまで展開していた4レーベルを新たに『MARKAWARE』,『MARKA』の2ブランドに再編成。
石川:ぼくが使ってるのは、基本的にはこれですね。
ーーメインはイソップですか?
石川:そうですね。スキンケアはこの4つを使って、ハンドクリームも「イソップ」なのと、髪の毛は「モロッカンオイル」を。洗顔は「マルセイユ石鹸」をずっと使っています。あと、「キールズ」のスクラブをたまに使うくらいかな。
ーーイソップに関しては、成分がどうこうということよりも、まずはビジュアルから?
石川:そうですね、並べておきたいと思えるビジュアルと匂いが好きなので、ずっと使い続けています。
ーーやっぱり多いですね。男性でイソップを使っているかたは。
石川:いやぁ、ほんと多いと思いますよ。なかったですからね、男性が家に置いても恥ずかしくないデザインで良さそうなものって。これは男性用というわけではないですけど、男性も使えるものでというと、ほんとに「イソップ」以降な感じがしますね。
ーー使いだしたのは、いつ頃からですか?
石川:何年前だろう? 使い始めて3、4年くらいだと思います。
ーーなにかきっかけがあったんですか?
石川: 40代近くになってきて、顔がすごいカサカサになってきたんですよ。それで、なにか使わないとなって思って。最初はドラッグストアに売ってるものを使っていたんですけど、なんかそれも......という気がずっとしてて。それで、「イソップ」を知ったので、使い始めたという感じですね。
ネットサーフィンで見つけたオーガニックアイテムーーroomieの佐々木に聞いたんですが、ネットサーフィンをしていて見つけたものがあるとか。
石川:シャンプーのことですね。もともとは、サプリメントをアメリカから取り寄せていて、なるべくならまとめて頼みたいと思って、「あ、シャンプーでボトルがカッコいいのないかな」と。そしたらこれが見つかって。おまけにこれ、タイトルに「髪ふさふさシャンプー」って書いてあったんですよ(笑) ネットで調べたら、使ってみて良いという話がいっぱい出てきたので、じゃあ買ってみようかと。
アバロンオーガニック ビオチンBコンプレックス フサフサ ヘアーシャンプー
Powersmile Cinnamon Mint Toothpaste
その時まで「アヴァロンオーガニック」のことを知らなかったんですけど、アメリカではすごいメジャーで、いろんなオーガニック系のスーパーに置いてある有名なものだったんですよ。それなら安心できるということで、1回に2本ずつくらいオーダーして、切れたらまた発注するというサイクルで使っていて。
そうしたら、たまたま日本でも売っているところをみつけて。調べたら代理店が日本にもあるというので、それならうちのお店でも、ということで扱い始めました。匂いもいいし、バスルームに置くならこっちのほうが絶対にいいなって。
ーーちょっと恥ずかしいですよね、いわゆるスカルプケア系は......。
石川:そうなんですよ。お風呂に入った時に気持ちが下がるし、人に見られるのもちょっと嫌ですしね。これは、石鹸シャンプーなので、ちょっとギシギシ感は残りますけど、コンディショナーをつけて、「モロッカンオイル」を塗っておけばしっとりするし。「モロッカンオイル」も、ベットリした感じがないので、使い心地はいいですよ。
ーーこの歯磨き粉は?
石川:これも、アメリカのオーガニック系のスーパーに行くと必ず置いてあるメジャーなものです。歯磨き粉って体に良くないという話を聞くんですけど、これはオーガニック認証を受けているので、その辺も安心だろうと。あと、僕は煙草を吸うんですけど、ニコチンが一番落ちる気がします。それが何の理由なのかはわからないんですけどね。
ーーこれも、「PARKING」で取り扱っているんですか?
石川:うん、置いてますよ。
ーーいろいろと使うほどに、興味が増えていくものですか?
石川:そうですね。シャンプーはどうせ使わないといけないものだし、肌に関しては、あきらかに老化していくのを感じるので、これはなんかしとかないとまずいなと。最初はドラッグストアで買うのすら恥ずかしかったんですけど、今はだいぶ平気になりましたね。こういうものは、なにを使っていいのか分からないから、まずはお店に買いに行っておしえてもらって、あとは「イソップ」なら公式通販があるので、そこで買ったりという感じです。
ウォールデン 森の生活への憧れーー2013AWに「ウォールデン 森の生活」をシーズンテーマとして掲げられていましたが、そういったロハス的なものへの興味は昔からありましたか?
石川:「ロハス」というキーワードに関しては、あまりないですけど、小学生の頃アウトドアにハマったんですよ。お小遣いを貯めては、好日山荘っていう登山用品屋さんに行ってキャンプ道具を買いそろえたり、最近復刻された「遊歩大全」という本があるんですけど、それも小学校6年生の時に全部読んでいたりとか。そういうものへの憧れがなにかと言うと、実は「北の国から」だったですよ。
ーーそうなんですか!
石川:オリジナル以降のスペシャルドラマは1本も観たことないんですけど。「ああ、田舎暮らしとかアウトドアにずっと興味があったのって、これの影響なんだ」って、最近気がついて。
ただ、それが「ロハス」っていう感覚とは自分の中で結びついてないし、ロハス的なものをそれほど意識したことはあまりないなぁ、とは思ってたんですけど。とはいえ、田舎暮らしみたいな生活をやっていこうと思うと、持続可能で環境に負担が少なくて、という方向に必然的に向かっていくだろうとも思いますし。その一方では、車が大好きなので化石燃料も使うので、そっち側はそっち側でありつつ、ロハス的な方向にも思考が移っていってるというのは、たしかにありますね。そういう意味では興味というよりも、生活をもうちょっと原始的な方向に戻していきたいな、という思いはずっとあります。
ーーそれはクリエイションにも当然出てくるわけですよね。
石川:そうですね。そこは繋がっていくべきだと思っています。だからといって、じゃあ完全に都市生活を捨てて、ヒッピーのような生活をするのかというと、完全に移行できる訳ではないので、その両立がクリエイションに繋がっていけばいいな、とはずっと考えています。
ーー意識的に素材をオーガニックに変えるといった試みは?
石川:洋服に関して考えたときに、オーガニックがどこまで良いことなのかというのが、僕の中で結論が出てないので、それを追い求める必要は、まだないかなと。ただ、実際に農作業をする人だったり、綿花を育てる人達ということでいえば、非常に意味のあることだと思います。
ーー最近、アウトドアメーカーも化繊から天然素材に移行しつつあるという話を聞くのですが。
石川:僕のつくる服でも、一部には化繊を使っているんですけど、インナーからアウターまで、すべてを天然素材にしたいとは思っていて。人が着たときに本当に心地よいものを考えると、やっぱり天然繊維には、なかなか勝てないだろうなって。
軽量化や機能を求めていくと、化学繊維というのも当然出てくるかもしれないけど、僕らがやろうとしているのは、ウルトライトで山に登ったりということではないので。そこまでの必要性がないのであれば、天然素材が本来持っている能力を生かした洋服づくりをしたいという思いは強くあります。
もうひとつは、自然の中で暮らすことを考えた時に、化学繊維の最大のデメリットは火に対する弱さなんですよ。火に弱い服が山で生活する時に使えるかというと、それは使えないんですね。薪ストーブの前でナイロンの服は、怖くて着ていられない。火の粉で溶けちゃうし、外で火を使う時もだめ。となると、やっぱり天然素材の方が圧倒的にいい。ちょっとした雨風しのぐくらいなら、天然素材で高密度に織ったものの撥水性で十分ですから。
ーーサードウェーブコーヒーを扱われているのも、同じ流れですか?
石川:思考が向いているというのは、たしかにありますね。天然素材という意味では、ずっとこだわりを持ってやってきたつもりですけど、じゃあ洋服でどこまでできてるかというと、まだ足りない部分もあって。今期から、素材の原産地や紡績した場所など、全部を明記した札をつけるようにしていこうって展示会で発表したんですけど。そういうことをちゃんとやって、全部一つに結び付けていかないと、洋服ではこうやっているのに、コーヒーでは違うとか、そういう無理や嘘が出てしまってもだめですからね。
ーーそこは個人だからこそ可能なことかもしれないですね。
石川:グローバルな大企業がやろうと思っても、なかなか難しいとも思うので、僕たちのような、ほんとに小さいところがやっていかないと。
ーー今はそういう所から発信されて、大きいムーブメントになるということも多いですからね。
石川:そうですね。もうちょっとしっかりとコツコツ積み上げていくしか今はないかなぁ、と。時代的にね、そういう気がしています。
「PARKING」のコンセプトが『衣・食・住・遊のすべてにこだわりを持つ男性のための新しい生き方を模索する、Lifestyle Magazine型のショップ』というだけに、そのオーナーである石川さんが選んだものは、どれもが気になるものばかり。さっそく取材後に、JASONの歯磨き粉を使ったところ、たしかに良い! 当たり前のことですが、この「良かった」という実体験を伴って、初めてそのものを認められる。それは、コスメ選び以外でも重要なことだと改めて感じました。
[Aesop,PARKING MAGAZINE,AVALON ORGANICS,JASON,]
(マイロハス編集部/金井)
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