ウール、カシミヤと並び、冬に大活躍するアルパカは、一本一本の繊維が長く、直毛なのでしっとりとした手ざわりになります。独特のなめらかな光沢がでるのも特長です。
そして、冬の悩みのひとつ、毛玉ができにくいのもアルパカならではのうれしいポイント。朝晩の気温差が大きい過酷な環境で育ったアルパカの毛は、保温だけでなく発散機能を持ち、これが毛玉のできにくさにつながっているのだそう。
そんなアルパカの毛糸を使い、ペルーのお母さんたちが一つひとつ手編みしたニット製品を取り揃えているのが、「Pikka(ピッカ)」です。
左)ボタン付き2WAY首巻き/10,700円・税込 右)ライトウェイト ショール/11,550円・税込
どちらもベビーアルパカ100%!
なかでも、ベビーアルパカ(生後6か月までの子どものアルパカからはじめて刈り取った毛)の手ざわりは格別! 身につけていない時も、手元に置いてさわっていたくなるほどふわふわで癒されます。
日本人女性の信念が息づくプロジェクトピッカのアルパカニットは、ペルー在住の日本人・鏑木玲子(かぶらぎ れいこ)さんの活動に共感した人々によって、輸入・販売されています。
鏑木さんは大学卒業後、渡韓し、ハンセン病患者施設のボランティアを経て、のちのWTO事務局長・李鍾郁さんと結婚。子育てが一段落した頃、何かしたいとの思いが強まった鏑木さんに、夫である李さんがもたらしてくれたのが、ペルー・リマのNGO「ソシオス エン サルー」でのボランティアでした。
その活動から、貧しい女性たちに手工芸品をつくるプロジェクト「ムへレス ウニダス」に出逢い、2006年に李さんが亡くなってからもリマに住み11年半、現地のお母さんたちと共に手仕事に励み続けています。
ピッカのアルパカニットには、鏑木さんが女性たちに指導した技術が生かされています。熟練されたお母さんたちの編む速度たるや、びっくりするほど速いのだとか。
リマのカラバイヨ地区のお母さんたちは、この仕事で得た収入を家族のために使い、今では、子供の教育や、栄養のある食事、水や電気を家にひくなど、目に見える生活の変化が起きているのだそう。
アルパカの実力とペルーのお母さんたちのたくましさ、そして鏑木さんの思いが編み込まれたアルパカニット。触れるだけでたくさんのパワーや優しさが伝わり、心まで温まりそうです。そう思うと、大切に長く使いたくなります。
(渡部えみ)