先日、ファミレスで朝食をとっていると、一緒にいたアメリカ人の友人に「日本のたまごは黄身の色が濃くてすっごくおいしそうだよね。栄養満点って感じ! 」と言われました。確かに、一般的な北米の卵の黄身色は薄く、日本の濃い色の黄身はおいしそうに見えます。
黄身の色が濃いワケでもじつは、そのように「見えるだけ」で「卵黄の色が濃いと栄養満点!」というのは、まちがった認識なのです。
卵黄の色は鶏が食べるエサによって変わります。通常、エサは穀物飼料である輸入トウモロコシが主原料。黄色に影響するのはトウモロコシに含まれるカロチノイド色素ですが、その色素は弱く、濃い色を出すためにパプリカ粉末やマリーゴールド、唐辛子などを添加しているんです。
そう、あの「おいしそう」な色は、濃い黄色を好む日本人消費者のために、意図的につくられているんです。だから色の濃い薄いによって栄養価の大差はないのです。
国産米で育った鶏の卵下の写真の左色の薄い卵は輸入トウモロコシの代わりに地元産の米を与えている「穂の香卵」という卵。こちらは着色のためのパプリカなどは与えず、白米を与えているので卵黄は「淡いレモンイエロー」です。
左:穂の香卵 右:普通卵
見慣れないとおいしそうに見えないかもしれません。でも、こんなふうに輸入飼料に頼らず、国内の稲作&鶏卵農家が協力し合うサイクルを「循環型農業」といい、最終的に私たちが卵を食べることで食料自給率と穀物飼料自給率向上にもつながる仕組みになっています。
また、減反政策で休耕田となっている水田を活用し飼料用米を生産しているので、この卵を10個食べると畳一畳分の水田が守られることになります!
TPPが推し進められる今、身近な食べ物だからこそ、「当たり前」と思わず、しっかり考えて選択したいです。
「ひたち野 穂の香卵」
10個入り紙パック 285円(税込)
問い合わせ:JAひたち野農産物直売所「大地のめぐみ」0299-56-5806
営業時間:9:00〜18:00
定休日:第2・4木曜日
[大地のめぐみ facebook,JAひたち野農産物直売所 大地のめぐみ 産直の東都生協 | TOHTO CO-OP]
photo by Thinkstock/Getty Images
(メグ・フルシアンテ)