ブルックリンの街路樹は暴風でバタバタと倒れ、紅葉しかけた葉が路上のあちらこちらに山を作っていました。タウンハウスの階段に並んだパンプキン達も寂しげで、本当にとても残念だったのです。
そのせいか今年のハロウィンは、皆とても楽しみだったようです。1週間句会前から至るところでパレードやコスチューム、コンテストなどが催されて、とても盛り上がっていました。
私は以前に一度、アメリカのツアー中にサンフランシスコでハロウィンを過ごしたことがあるのですが、本格的にハロウィンを経験したのは今回が初めてでした。それまでアメリカ映画などで観ていたハロウィンでしたが、予想以上の盛り上がりで驚きました。
まず何といっても、ハロウィンのデコレーションが普通の住宅地とは思えないほど凝っていて、まるでお化け屋敷並みなので何度も笑ってしまいました。この感じは日本やフランスではまずありえません。アメリカ人はイベント好きだなぁとこの一年間住んでみて思ったのですが、それにしても、こんな事を大人が本気でやるとは驚きです。私はアメリカのこういうところ、面白くていいなぁと思います。
そして、パンプキンをくり抜いて作るジャック・オー・ランタンのデザインが様々で彫り方も凝っていて、さすが年季が入っているという感じ。この数週間、まいにち街中を歩いてパンプキンを見つける度に感心したり、楽しくなっていました。
娘の学校もハロウィン当日は、生徒も先生もコスチュームを着て登校し、午後にカップケーキとお菓子で小さなパーティーがありました。迎えにいくと、小さなモンスターが勢揃いで何とも可愛いこと!
子供達は学校が終ると一度家に帰り、それから近所の家にお菓子を貰いに出掛けるのです。私も前日にお菓子を用意して、家の階段に座って「Trick or Treat! 」とお菓子をせがむ子供達にお菓子を配りました。
そして夜はパークスロープの目抜き通り、7thアヴェニューでパレードが行なわれます。もちろん私達も参加しました。子供はもちろんですが、大人もかなり凝った恰好をしている人が多くて、しかも私からするともう本当にホラー映画に出て来るくらい見た目が怖いというか、どこまでが仮装なのか分からないひともいたりして時々ドキッとしました。
こうして今年のハロウィンは無事に終了し、NYは穏やかな秋に包まれています。ハロウィンが終ると今度はThanks Giving Day(感謝祭)にクリスマスと、ずっとお祝いが年末まで続きます。
ハロウィン一色だった街のデコレーションも、翌日から一斉にクリスマス仕様に変わりました。NYで過ごしたこの一年間は本当にあっという間で、毎日とても充溢したものになりました。そして、こんなにNYが好きになるとは自分でも思っていませんでした。明るく親切で活動的なニューヨークの人達に感謝です。
(カヒミ カリィ)