メディアで多数紹介され、『ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良2012』で一つ星を獲得したことでも話題となった奈良の伝統野菜レストラン「清澄の里 粟」。そのオーナー三浦夫妻の活動が書籍として発売されました。

タイトルは『家族野菜を未来につなぐ レストラン「粟」がめざすもの』。家族野菜とは、大和伝統野菜の本質を表す造語なのだとか。

大和伝統野菜とは、奈良県で戦前から受け継がれてきた在来品種のこと。早くから伝統野菜のブランド化に取り組み、その先鞭をつけている京野菜と異なり、大和伝統野菜のほとんどが、最近まで農家の方々が自ら栽培し自ら食する自給作物として受け継がれてきました。

「家族野菜を未来につなぐ レストラン「粟」がめざすもの」P.3より引用

新婚旅行先のアメリカでネイティブアメリカンの文化に触れたことがきっかけで奈良県の伝統品種を求める旅を始めることになった三浦夫妻。懐かしく色彩豊かで個性的な姿と風味、そして物語を持つ大和伝統野菜に夢中になっていったそうです。

なぜこの野菜をつくり続けてこられたのですか」という僕たちの質問に対して、異口同音に語られる「お金にはならないけれども子どもたちが好きだから」「手間暇かかるけど家族が楽しみにしているから」 という言葉とその表情に、いつしか魅せられてしまうことになったのです。

「家族野菜を未来につなぐ レストラン「粟」がめざすもの」P.3.4より引用

これこそが「家族野菜」という言葉の由来。豊かになった日本の中で知らない間に置き忘れられたもの、あたりまえで大切なものを伝えるささやかな種火になるように願ってこの本を書いたと夫妻は語ります。

そんなストーリーを持つ大和伝統野菜は、奈良の原風景に囲まれた小高い丘の上に建つ「清澄の里 粟」と、女性に人気の観光地・奈良町にある築130年の古民家をリノベーションした「粟 ならまち店」の2店でいただくことができます。

清澄の里 粟

住所:奈良県奈良市高樋町861
営業時間:11:45~16:00 (ラストオーダー15:30)

TEL:0742- 50-1055


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粟 ならまち店

住所:奈良県奈良市勝南院町1番地

営業時間:11:30~15:00 (最終入店13:30 ラストオーダー14:00)
17:30~22:00 (最終入店20:00 ラストオーダー21:00)
TEL:0742- 24- 5699


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家族野菜を未来につなぐ レストラン「粟」がめざすもの

著者:三浦雅之・三浦陽子

出版元:学芸出版社

定価:本体1600円+税

 (中澤小百合)

RSS情報:http://www.mylohas.net/2013/10/033676kazokuyasai.html