マクロビオティックのイメージがちょっと変わるお話を、マクロビオティックの第一人者・久司道夫先生の講演会からピックアップしてお送りする第2回。(第1回はこちら>>)
今回は、わたしたちの食べるものはカラダだけでなく、心も作るというお話。
食べたものの思いが心になるわたしたちが食べたものは血液や細胞などを作る一方で、消化され、燃焼されていきます。久司先生によると、この燃焼されたものが心になるのだそう。
「キャベツを食べたらキャベツの思い、牛を食べたら牛の思い、魚なら魚の思いがわたしたちの動作となり心になるのです。
例えば、日本人の朝の出勤風景。一斉に動いているでしょう?あれは魚ですよ。魚の大群。考えるときにぐるぐる歩き回ったりしませんか」(久司先生)
思わず笑ってしまいながらも、なんだか納得。
食べたものの思いが私たちの気持ちになって表れると考えると、食材を見る目も変わってきます。
強い感情を生む「お肉」を少なくする理由マクロビオティック食事法ガイドラインにあるように、マクロビオティックでは、牛や豚の肉をはじめ、卵・鶏肉、乳製品は、多くても月に2~3回の摂取が望ましいとされています(※日本を含む温帯地域の場合)。そこには深い理由がありました。
「牛や豚は、わたしたち人間と同じほ乳類。生物学的に言うと、わたしたちは親せきです。その親せきの命をいただいているのです。殺されていくときに、ほ乳類は、怒り、憎しみ、絶望感、恐怖を持ちます。
そして、それを食べれば、同じ感情がわたしたちの遺伝子のなかに入り、消化・燃焼すると同じ気持ちが外に出てくるわけです」(久司先生)
「戦争と病気のない新しい世界を作りたい」という思いから生まれたクシマクロビオティック。
なんとなく知っていた"マクロビオティックではお肉をほとんど食べない"、という基準の裏に、このような考え方があったことをはじめて知りました。
次回は、マクロビオティックの中心となる穀物や野菜の思いについて。これを知ると、自分のことがよりよくわかるようになるかもしれません。
※マクロビオティックでは世界を10の地域に分けていて、地域によって正しい食事のバランスが異なります。
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(渡部えみ)
photo by Thinkstock/Getty Images
取材協力・写真提供(久司先生分):ビオクラ食養本社