©Louis-Marie PREAU
フランスでは毎年、今年最も美しい表情を見せた「今年の木」を選ぶコンクールがあります。これは、自然にフューチャーした雑誌「Terre Sauvage」と、森林を守る政府団体とが中心となって、フランス各地域から美しい木をネット公募するもの。皆、「いつも通勤途中に見るあの木がキレイ」、「自分の田舎のシャトー脇にある木がいちばんだ」などと、自分の中で最高の木の写真を撮って応募するわけです。
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この応募締切と同時に、今度はそれらをインターネットで公開し、最終的には投票によって「今年の木」が選ばれます。もちろん応募には、美しいだけでなく、木の歴史やその地域での役割、象徴性などあらゆる観点からのアピールも必要になってきます。
ちなみに、200もの候補の中から選ばれた、「今年の木」(2013年6月発表)はこちら。
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中央に鼻、目、口のようなものが見えるような、迫力と存在感のある木です。これは、フランス中央部アンドル県のサン=シヴランという町にある木。この立派な大木は、フランス王家の血縁をも生み出した"ベリー"と呼ばれるこの地の平和を見守ってきたものとして、その歴史性にも票が集まったようです。
続いて、一般大賞を受賞した木はこちら。
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フランス北部ブルターニュ地方のベガールにある木。石造りの小屋の屋根に突き出るような形で生き続け、「Bonzai(日本語の「盆栽」を意味)」と名づけられたのだそう。「ブルターニュ人は頑固だと言われており、その気質を表しているかのような木」として多くの票を集めたのだそうです。
見ているだけでも心が今にも吸い込まれていきそうな大木の写真。興味のある人はこちらから見られます。
(下野真緒)