人口80人余の小さな島に人口よりも圧倒的に多い150匹以上の猫が棲んでいる「猫の島」として知られています。この島では、昔から猫は大漁の神様として大切にされ、猫が祀られる猫神社もあるほどで、島には犬が一匹もいない、正真正銘「猫の島」なのです。
そんな田代島を歩けば、港にも道端にも、家の軒先にも、どこにいても我が者顔で闊歩する猫たちの姿を見ることができます。南三陸に位置するこの島も、震災では大きな被害を受けましたが、本能的に危険を察知する猫たちは山に逃げ込み津波を逃れたのだとか。
猫好きサポーターたちによる復興支援震災後、島では「田代島にゃんこ共和国」と命名された復興プロジェクトが立ち上がり、全国の猫好きサポーターたちの支援金による復興と再生が行なわれています。震災から2年半が過ぎた今、島の経済基盤である漁業の建て直しに加え、猫たち目当てにやってくる観光客も、少しずつ以前の活気を取り戻す方向に進んでいるようです。
のびのびと暮らす島猫たちの暮らしを守ることは、島人たちの暮らしを守ることに繋がる"猫と人とが共存する島"なのです。週末、元気な猫たちの姿とそこで暮らす人々の笑顔に会いに「猫の島」へ出かけることは、私たちにできる復興支援のひとつでもあるのですね。
[田代島にゃんこ共和国]
photo by Thinkstock/Getty Images
(小林繭)