華やかなスターが出ているわけでもないのに、ドイツ国内で公開後、半年間で12万人の観客動員数を記録したドキュメンタリー映画があります。それが9月21日に劇場公開される映画 『もったいない!』です。

世界で生産される食料の3〜5割が廃棄されている

世界では8人に1人が飢餓状態にあるというのに、世界で生産される食料の3~5割、最大約20億トンもが、食卓に届く前に捨てられています。その問題を追求し「私たちに何が出来るのか」を探るのがこの映画。

登場人物は大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会に反対し、廃棄物の回収・再利用を生活の一部に取り入れる「ごみ箱ダイバー」と呼ばれる人々や「食品を捨てるということは、かけられた費用や労力も全て捨てるということ。」と語るウィーンの廃棄物管理研究所の研究員など。

その他ヨーロッパ、日本、アメリカ、アフリカの各地で、食料がたどる様々な段階に携わる人々の話を聞き、食料廃棄の現実と原因、影響を探ると共に、ユニークな発想で抗う人々を取材しています。

映画を観ると、学校給食1食分を寄付

この映画のこと知れば知るほど、悲惨な現状に胸が痛むけど、何からやれば......なんて思ってしまいました。しかし『もったいない!』を劇場で鑑賞することで、食料問題を救う第一歩になるんです。鑑賞チケット1枚につき20円が寄付金となり、開発途上国の学校給食1食分が贈られるという、社会貢献プログラムになっています。

この映画の監督・脚本を手がけたバレンティン・トゥルン氏は、映画館は「人々を動かす魔法の場所」であるといっています。その言葉通りに、小さな一歩を踏み出す人が、増えることを願うとともに、私もその魔法にかかりに行きたいと思います。

[もったいない!
原題:Taste The Waste
公開:2013年9月21日
配給:T&Kテレフィルム
劇場:東京都写真美術館ホールほか順次公開
監督:バレンティン・トゥルン

(知恵子)

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