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秋の気配を感じる夜に。日本の灯り「花ろうそく」に癒される

2013/08/27 15:30 投稿

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処暑が過ぎて、いつの間にか日が暮れるのも早くなりました。

いままでとは違うひんやりとした風が吹きはじめたら暑さともお別れ。なんとなく切ないような気持ちになってくるのもこの頃ですが、そんな秋の夜長、花ろうそくに火をともして、ほんわりとこころを内側からあたためてみませんか。 

もともと花ろうそくは、雪にうもれる地方の花のない季節にもお供え花を、という気持ちから生まれたもの。 

一本一本手書きで美しい花が描かれており、植物性の原料からできている手作りで、明治時代にはベジタブルワックス、として世界に輸出され、日本のおみやげとして大英博物館にも展示されているのです。 

西洋ろうそくと違うのは芯が太くて炎に表情があること。天然成分ですからすすが少ないのも特徴です。風がないのに揺れたり、ぽんぽん、とはずむように動いたり。そのゆらぎは癒しのリズムといわれる1/fゆらぎ。心は静まり、ゆったりとしてきます。 

暗闇の中、遠くの方に灯る灯りを見つけるとなんとなく私達はほっとしますが、そんな風に灯りには人を穏やかな気持ちにさせる効果があるのです。

花ろうそくに描かれた美しい絵柄を眺めるだけでも、心豊かになれますが、せっかくですから照明を落として灯りをともしてみましょう。本を読んだり、お風呂に入ったり、好きな音楽を聴いたり。慣れ親しんだ部屋の空気がガラリと変わって、忙しかったり、疲れて絡まっていた気持ちが、花ろうそくの灯りの持つ力で、ゆっくりと解きほぐされていくのを感じることでしょう。

(広田千悦子)

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