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トロンととける食感に感動。目玉焼きをおいしくする鍋

2013/08/14 13:00 投稿

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子どもの頃から朝食は洋食派。一時期はフライパンでいかにおいしく目玉焼きを完成させるか研究を重ねたこともありましたが、この数年はもっぱら、「湯町窯」の「エッグベーカー」まかせ。

「エッグベーカー」で目玉焼きを作る、いつもの朝の風景。

島根県・玉造温泉に宿泊した翌朝、JR玉造温泉駅近くの湯町窯を訪れ、おもてなしでいただいたのが、黄釉にスリップと呼ばれる独特の模様で、ふっくらまあるい形がチャームポイントの、小さな陶器の鍋で作られた目玉焼き。

黄身と白身をスプーンですくって口の中へ。トロンと口の中でとけてなくなる食感と味わいに感銘を受け、エッグベーカーという名のその器を東京まで持ち帰ったのでした。

エッグベーカーは、持ち手つき器、ふた、受け皿で1セット。
大小と2サイズあって、私は小(2,940円)を愛用。右は同じく湯町窯で求めた、黄釉の茶碗。

ガスコンロにまず焼き網をセット。器をのせて生卵を割り入れ、ふたをして3~4分、弱火で焼きます。その後、ふたをしたままの器を受け皿に移し、5分ほど蒸らせば半熟目玉焼きのできあがり。塩こしょうをふりかけていただきます。

耐熱性の器はオーブンや電子レンジでの使用も可能だけれど、ためしてみて一番おいしいと思ったのが直火。工房ではストーブ熱を利用した調理法も教えていただいたけれど、なにせ家にストーブがないので断念。

江戸時代に松江藩の御用窯として開かれた窯・布志名焼の流れをくんで、湯町窯が開窯したのが大正11年。先代が、柳宗悦、河井寛次郎、浜田庄司、バーナード・リーチら民芸運動の作家たちの指導を受けたこともあって、販売所には機能的で使いやすく暮らしを豊かに彩る「用の美」の器たちが並んでいます。

工房の入口にある湯町窯の販売所。あらゆる器がぎっしり。
陶器の持ち手付きコーヒーカップを日本で先駆けてつくったのも湯町窯。

販売所を訪れたときいただいた、ストーブ熱を利用したエッグベーカー製目玉焼き。

エッグベーカーは、もちろん焼き料理や蒸し料理、普段の器として使うことができるけれど、私はきっとこれからも目玉焼きひと筋。ふくよかな形と温かい黄色い色には、白い黄身の目玉焼きが、断然お似合いなので。

水色、ピンク、白、土色、しみじみと見惚れてしまった、色の組み合わせが美しい壷。

前回、ご紹介した「出西窯」とあわせて、島根県で窯元巡りをすれば、毎日の食生活をともに歩める一生ものの器にきっと出あえるはずです。

エッグベーカー/大:3,430円
エッグベーカー/小:2,940円

(甲斐みのり)

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