「すべてのひとに石がひつよう」という、絵本。
1974年に刊行され、世代を超えて読みつがれている、この絵本。特別な石というと、華やかなパワーストーンを思い浮かべますが、この絵本のなかに登場するのは、森や道端に落ちている「石」。そのなかから、自分の石を見つけるための10のルールが、美しい詩と挿絵とともに紹介されています。
忙しく働く毎日のなかで、いざ、自然に触れようと思っても街路樹や小さな公園ぐらいのもので、なんとも淋しい気持ちになります。そんな時に、自分の石を持っていたら、心の支えになってくれる......そんな、気にさせてくれる不思議な絵本でした。
翻訳者の北山耕平さんのあとがきには......
こうして自分の石を持っていて良かったなと思うのは「独りぼっちで淋しくないこと」です。石にさわっていないとかえって不安になるくらいです。
(中略)
石はそれぞれが記憶装置ですし、生きている小さな地球です。石の離すことは、地球の話していることなのです。石とのつきあい方がわかってくれば、地球の話していることなのです。
「すべてのひとに石がひつよう」より
と、書かれています。
ひとつの石と向き合うことで、地球とつながる。現代人に必要なのは、お金や休暇よりも、「石」なのかもしれません。今週末は、自分だけの石を探しに、山に出かけてみようかな。
(マイロハス編集部/疋田)