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「支えてくれたのは、愛」美輪明宏の実像に迫るドキュメンタリー

2013/08/13 08:00 投稿

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美輪明宏さんといえば、美意識の高さや独自の人生観を持ち、どのジャンルにも当てはまらないオンリーワンな存在です。

そんな美輪さんの魅力は国内だけじゃなく海外からも注目されており、この夏、フランス人監督によるドキュメンタリー映画「美輪明宏ドキュメンタリー ~黒蜥蜴を探して~」が公開されます!

 

フランス人監督による、美輪明宏のドキュメンタリー

この映画を監督したのはフランスで日本映画配会社で働いていたパスカル=アレックス・ヴァンサン。1968年に公開された映画『黒蜥蜴』は彼の大のお気に入りです。しかし、なぜ主演女優の名前が"アキヒロ"なのだろうと不思議に思い、のちに美輪さんが男性として生まれたということを知りました。

 

 

松竹のように伝統のある大きなスタジオが、女装した男性を大きな役に起用したことに、とても驚いたそうです。ハリウッドやフランスのスタジオではあり得ないこと。しかも、まだ今ほど同性愛は受けられていなかった時代に、男性が女性として堂々とメインストリームを歩いていたという事実に衝撃を受けたそうです。

 

ヨーロッパだけでなく、アメリカでも人気に!

この作品はフランスでの反響も非常に大きく、元はフランスのテレビ用の作品であったにも関わらず、映画祭での上映が決定。しかも同性愛者のための映画祭ではなく一般の大きな映画祭での上映だったそうです。その後、ヨーロッパ各地での上映作品に選ばれ、さらにはアメリカの複数の映画祭でも上映されました。この作品によって、美輪さんの存在が世界中に知れ渡っています。

 

映画の中で美輪さんは

「『フランス語であなたをil(彼)と呼ぶのか、elle(彼女)と呼ぶのか、英語だったらheなのかherなのか』と聞かれますが、『呼びたい人のお好きなように』と答えます。日本では人を呼ぶときには『さん』とか『様』と敬称をつけるだけです。だから日本のほうがよっぽど性差別がなくて、進んでいて、リベラルですよ」

と仰っています。

今でこそ、性別を気にせずにたくさんの方が活躍できる時代になりましたが、日本でその土台を作ったのは美輪さんかもしれません。自分に嘘をつくことなく、胸を張って生き抜いてきたおかげで、多くの人の偏見を解放したように思えます。

 

美輪さんのこだわりが随所にみられる

 

 

性別、国籍、見た目などに人は影響されがちです。でも、その人の本質を見れるようになったら、もちろん相手も楽になりますが、なにより自分が自由になる気がします。自分の価値観で人をジャッジせず、中身が見れるようになりたいと考えさせられる映画。

美輪さんの揺るぎない信念、美意識は、映画のパンフレットにも現れています。この映画の配給をしているアップリンクのマークは、通常、黒を使用しているのですが、美輪さんの「黒は使わない」という強い信念のもと、紫色へと変更したエピソードもあるほど!

映画のなかでは、当時の美輪さんの演劇映像も見ることができるので、本やCMなどでの美輪さんしか知らない人にもおすすめです!「美輪明宏ドキュメンタリー ~黒蜥蜴を探して~」は8月31日より、東京都写真美術館、渋谷アップリンクにて公開予定です。

美輪明宏ドキュメンタリー ~黒蜥蜴を探して~(63分)]
監督:パスカル=アレックス・ヴァンサン
撮影監督:アレクシ・カヴィルシン
編集:セドリック・デフェルト
主演:美輪明宏
出演:横尾忠則、深作欣二、北野武、宮崎駿ほか
提供:パルコ
配給:アップリンク
8月31日(土)より東京都写真美術館ホール渋谷アップリンクにて公開

©KIREI

 

(宮田茉貴子)

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