今年は、「立秋」と「新月」が重なるめずらしい年。そこで、8月7日は、立秋と新月の2つのパワーを上手にとりいれてみてはいかがでしょう。

立秋と新月のパワーをとりいれる方法

「立秋」は、秋のはじまり。秋という言葉には、「清らかで曇りがない」という意味もあります。さらに「新月」は、新しいことをはじめたり、考えはじめたりするのに最適とされています。そのため、新しい気持ちでスケジュールを立てたり、目標を立てたりするのにぴったり。

といっても、夏の蒸し暑さにやられ、カラダも心もまいってしまって、目標どころでは無いという方も多いはず。そこで、この季節を楽しむための、五感を使って心を整える、日本人の智慧をご紹介します。

五感で心を整える日本人の智慧

気持ちを整える力がある、にほんの音。蒸し暑さで乱れがちな心に効きます。たとえば、涼しげな音を私達に聞かせてくれる風鈴。

目に見えない風のはたらきを、ゆらゆらと揺れる短冊やちりん、ちりんと響く音にしてくれる、小さな道具ですが、鈴虫のように高く長く響くタイプのもの、からからと乾いた音のもの、種類はさまざまです。

気持ちの中にすっとなじんでいくようなその音に耳を傾けていると、忙しい日常の世界を離れて気持ちがすうっとしたり、時間もゆっくりに感じたり。忘れていた懐かしい記憶を思い出したりーーーと、ちょっと不思議なちからをもっています。

風鈴の音には魔を除ける力もありますから、その魅力的な音が届くエリアは、こころの安全地帯。

こんなふうに目に見えない「音」が場や気を整えて、邪気払いの力を発揮するものは、日本ではあちこちにみられます。ふだんの暮らしの中にある日本の音をみていきましょう。


日本の音を楽しむアイディア

まず、神社やお寺でお参りする時に振る鈴。
神様が大好きな鈴の音は、参拝する人の身体や、その場を清める力があります。ちなみに、何気にお財布やキーホルダー、小さな子のサンダルなどについている鈴は、この神社やお寺の鈴を型取ったもの。

夏はいつも以上に虫の音、波の音、蝉の声、水の音などの音に恵まれていますが、こういった自然の音は、自律神経を整え調和をもたらし、集中を高めるといわれています。

俳句の季語には音にまつわることばが無数にありますが、身近な「音」に気づく力が豊かだった日本人は、そういった目に見えないもので、心と身体のバランスをとり、自然のものと一体化する日々の喜びを感じてきたのだと思います。

昔ながらの日本人の感覚をあらためて愉しむためにも、暑さで気持ちが乱れる時は、ちょっと手をとめて窓の外や、街路樹、公園の水などの「音」に意識を向けて、力をもらってみてはいかがでしょう。 

(広田千悦子)

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