「この本にしるされたことを、かたっぱしから自分の手で試したい。（中略）それだけでも私の人生は、きっと根本から変わるだろう（帯コメントより引用）」
と評する伝説の書籍があります。
それが、アリシア・ベイ=ローレルさんの著書『地球の上に生きる（原題：Living on the Earth）』。「Back to nature（自然に帰れ）」のスローガンのもと、自然に調和した暮らしを求める人々の間でベストセラーとなっています。
彼女が、1960年代後半にアメリカ西海岸から始まったヒッピー・ムーヴメントを牽引する代表的コミューン（共同体）のひとつ、「ウィラーズ・ランチ」で暮らした実体験をもとに綴られています。
都会に暮らす私たちでも参考にしたい、料理や、裁縫、病気の手当など、ムダなエネルギーを使わずに、大地のリズムに即した暮らしのアイディアが詰まっています。掲載されている数々のドローイングは、アリシアさん自身が描いたもので、ページをめくるたびに自由でパワフルなエネルギーが伝わってくるよう。
たとえば、「果樹を植えよう」「徒歩旅行の仕方」「サンダルをつくろう」「応急手当」「手縫するおさいほう」「漢方薬」「ヨガのアサナ」「瓶詰めをつくろう」......と、見出しだけでも、今の暮らしでも十分使えるティップスがいっぱい。
なかには、「ひとりでするお産」「火葬の方法」など覚えておけばいつかは（!?）役立ちそうな話や、「困った隣人とどうつきあうか」の項では、害虫をうまく追いやる方法など、読み物としても大変興味深い内容に。
本中に描かれている当時のヒッピーコミューンの非暴力主義や、モノや人を損なわない精神は、今の時代を生きる私たちにも共感できる考え方です。都会生活でも、ちょっと意識して自然に即して工夫をこらせば、愛の溢れた暮らしが営めるかも！
[地球の上に生きる]
著書：アリシア・ベイ=ローレル／翻訳：深町真理子
2,625円（税込）
（さとう葉）
