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今の時代を生きる手掛かりが見つかる。石井ゆかりさんの言葉で紡いだ「親鸞」

2013/01/20 12:01 投稿

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マイロハスでおなじみの石井ゆかりさんの「星占い」。彼女の占いが多くの人に支持される理由のひとつに言葉の紡ぎ方、があるように思います。

占いには、「◯◯すると良いでしょう」とか「◯◯すると悪い予感」など、未来を断言するものもありますが、彼女の占いは「人間の未来や結果はわかりようがない」と言っているように、未来の可能性がある、と思わせてくれる言葉が魅力です。



そんな彼女が書いた「親鸞」。この本は、親鸞の言葉を彼女なりに読み解いて書いたエッセイ集です。親鸞が生きた平安末期から鎌倉時代の人々は、戦乱に怯え飢饉に喘ぐような不安な時代。現代も同じで、東日本大震災や、国境問題におびやかされ、毎年三万人が自殺する状態も「不安な時代」だと、石井さんは言います。

そんな気持ちを元に書かれたこの本は、一度読んで終わりではなく、何度も読み返すことで、自分の心が整理されていく、そんな内容になっていました。

たとえばこんな一節。

何がよくて何が悪いのか。私たちはそれを「自明の理」のように思っている。でも、自分の考える正義と、他の誰かの考える正義とをつきあわせてみると、それはおどろくほど違っている場合がある。〜略〜おまえはそんなに、善悪を裁けるほどに、偉いのか。親鸞にそう問われている気がして、自分の心を覗き込んでみたくなる。※「親鸞」116ページより引用

「親鸞」を読むと、自分の中にある強くて、捨ててしまいたいエゴがスーッと消えていくのを感じます。石井ゆかりさんの言葉が放つ輝きは、やっぱり素敵でした。

[親鸞]文:石井ゆかり写真:井上博道価格:1,995円(税込)出版社:パイインターナショナル

photo by Thinkstock/Getty Images

(マイロハス編集部/篠田)

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