以前からリサイクルに力を注ぐニューヨークのブルームバーグ市長。
生ゴミをリサイクルして堆肥にする計画を発表!
マイロハスでも発泡スチロールの使用を禁止する方針を示したことをご紹介しましたが、新たに「生ゴミをコンポスト(堆肥)にしてリサイクルできるようにする計画」を発表しました。
すでに実験的にニューヨーク市内で始まったプログラムでは、家庭で出たチキンの骨や卵の殻などを含む生ゴミを収集トラックが回収し、地域の庭園の堆肥として利用されています。
Benjamin Norman for The New York Times
多くのニューヨーカーたちが自主的にプログラムに参加
市当局は、以前はニューヨークのように混み合った町でこのようなプログラムを実施するのは無理だと考えていたのですが、スタッテン島で行われた自主参加の実験プログラムでは、なんと予想を大幅に上回る43%の参加率!
この実験プログラムが成功したことで、今年の秋からは5つの自治区でプログラムの実施を拡大し、2014年中に計12万5,000世帯でコンポスト用のゴミを回収する予定です。また、100以上の高層ビル、600の学校も加わり、多くの人がこのプログラムに参加する予定です。
DEBBIE EGAN-CHIN/NEW YORK DAILY NEWS
今後は、生ゴミでエネルギー発電も!
現在ニューヨークではごみの量が多く、その量はニューヨークの外の3つの州に運ばないと処理できないほど! 市のごみのリサイクル率は、15%と低く、アメリカ全国の平均値の、約半分以下です。そして、生ゴミは市から出るゴミの量の35%を占めています。このコンポストプログラムが実践されれば、現在は年間120万トン出ている生ゴミの量を減らし、庭園などの堆肥のほかにエネルギー発電にも使用できると考え、2017年までにごみ全体の量を約30%削減を目標にしています。
市が管理するプログラムは自主参加で始まりますが、いずれは生ゴミリサイクルを義務化することを目指しています。さらに、現在ニューヨークでは、紙・プラスチック・金属のリサイクルをしないと罰金が課せられるように、今後は生ゴミも同じく罰金が課せられる可能性があります。
実験プログラムの段階で積極的に参加している家庭が多いということは、ゴミを捨てることに対するニューヨーク市民の意識も高いということ。すでにアメリカのシアトルやサンフランシスコでも実施されている生ゴミリサイクルプログラムは、環境意識の高い日本の都会でも可能でないはずがありません。ニューヨークのプログラムを参考に、日本でもコンポストリサイクルの動きが広がっていくことを願っています。
[The New York Times,Daily News]
photo by Thinkstock/Getty Images
(山縣美礼)