「あなたって寝相がいいのね~」とよく言われた私。
そんな自分の上品な眠り方を自慢にしていましたが、睡眠学的には寝相は悪いのが当たり前。寝返りを打つことで床の中の温度と通気を調整し、姿勢を変えて筋肉や骨にかかる圧力を解消しているんです。
はたして寝相が いいのか わるいのか
ねむりのイロハカルタより 切り絵:ナカニシカオリ ©ナカニシカオリ スタジオ・ソムニナ
けれども、寝苦しい夏の夜は悶々と寝返りしすぎて眠れないのも事実。涼しく眠るには寝具や寝室の調整が欠かせません。日本の夏は、なんと言っても「通気性」や「吸湿性」の確保が最重要。それは夜着にも言えます。
最近は、部屋着で寝てしまう人が多いようですが、やっぱり夜着は断然パジャマが良いのです。だって眠り専用なのだから。とはいえ、パジャマであればなんでもOKというわけにはいきません。では、どんなパジャマを選べばいいかのポイントをご紹介します。
・通気性には袖口や首・足首のところが詰まっているものはNG
・ウエストはゆるめで、ひも付きが一番
・生地はコットンや柔らかい麻が最適
・色はパステルカラーで涼しげなもの
と、このあたりまでは常識かもしれませんが、さらにに重要なポイントをひとつ。それは、
・生地を選ぶときは袖に生腕(なまうで)を深く通してみることが大事!
快眠には、肌触りも重要な要素です。これらを満足させるとお値段ははってしまうでしょう。でも「パジャマなんて誰も見ていないんだから安モンでいいや」はいけません。健康のためには多少の出費は覚悟すべし!
シルクとコットンを巧みに織り込み、縫い目の処理も完璧な腰紐使用の高級パジャマ
そして、もうひとつのおすすめは「脱パンツ」。いやいや、パジャマのズボンはちゃんと履いてくださいね。「脱パンツ」とは、下着のショーツを脱ぐということ。腿のつけ根を閉めると熱がこもるからです。初めはスースーして不安ですが、慣れるとほんとに涼しく楽なのです。高品質の夜着で脱パンツをするともう、安物の締め付け睡眠には戻れなくなるほど!
ちなみにアメリカでは、夜着が古着市場で売られています。着古した夜着を買うなんて、日本人はちょっとひいてしまうかな......。
NYから届いた1970年代の古着ネグリジェ
こちらの写真は1970年代のネグリジェ。わざわざ古着屋さんに頼んでNYから買ってきてもらいました。襟のレースや色合いが楚々として、生地は着慣れしていて柔らかい。どんなレデイーが着ていたのかな〜? とちょっとロマンチックな気分になります。
これから迎える寝苦しい夜は、マイパジャマのランクアップと脱パンツを試みてくださいね。
【今日のねむまめ】
眠りの弁天さまを奉ったお寺をご存知ですか? 名古屋にある桃厳寺の「眠り弁天」は、寝苦しかったのかな? と感じさせるように上半身露わに横たわっていらっしゃいます。また、京都を訪れたら、ワコール本社にあるミュージアム・オブ・ビューテイーに行ってみるのも楽しいですよ。日本女性の下着の変遷を知ることができます。
[桃厳寺]
住所:名古屋市千種区四谷通2-16
TEL:052-781-1427
料金:無料 ※ねむり弁天拝観料 1,000円
定休日:無休
参拝時間:9:00~17:30
[ワコール・ミュージアム・オブ・ビューティ]
住所:京都市南区吉祥院中島町29
TEL: 075-682-5111(代表)
見学時間:平日10時~17時
見学人数:1人~20人 ※電話で事前予約必要
見学所要時間:30分~60分
入館料:無料
photo by Thinkstock/Getty Images
(橋爪明子)