普段、口にしている豚肉。国産や外国産のチェックはしますが、その豚がどんな飼料を食べているまでかは、気にしたこともありませんでした。そんなことを意識するようになったのは、「福幸豚(ふくゆきぶた)」に出会ってからです。





■福幸豚って、どんな豚?「福幸豚」の産地は沖縄。この見るからに幸せそうな名前は、実はこの豚を飼育している方の名前からとったものなんです。その方の名前は、福田裕士さんと丸幸弘さん。「福幸豚」を飼育するようになったきっかけは、福田さんが大規模な農場で豚の飼育をしていたときに始まります。

大規模農場で飼育するときに使う、大量の飼料はほとんどが輸入に頼っているもので、「国産の豚とうたっていても、飼料が外国のものなら、外国産の豚と変わらない!」と気付いたこと。そして、飼育した豚の肉を、農場で働く人たちは食べることができないこと。

この二つの矛盾を胸に抱いたとき、「輸入飼料に頼らない、生産者がお客様まで豚肉を届けることのできる養豚場を作りたい」と思ったのです。そうしてできたのが、「福幸豚」なんです。

■福幸豚の飼料はエコフィード福幸豚を開発したのはリバネスという、日本全国で子どもたちに科学技術をわかりやすく伝えている理系の集団によるベンチャー企業。福幸豚の産地は沖縄なのですが、沖縄の人たちにとって、昔から豚は、日常的なたんぱく源でした。そこで、沖縄の家庭で飼われていた豚は、その家の人が食べ残した食材を食べてくれていた点に注目し、輸入の飼料に頼らない豚の飼育を思いついたのです。

福幸豚は、アセロラの種やシークワーサーの皮や種など、沖縄にある食材を飼料として育てています。これらの飼料は、いわゆるエコフィード。これにより、添加物や薬品漬けではない、安心でおいしい豚の生産に成功しました。




■食の安全はもちろん、味もおいしい!福幸豚の特徴は、安全なだけではありません。福幸豚の脂は、融点が低いので、口に入れたときに旨みが広がるのもポイント。また、多く含まれている不飽和脂肪酸は、血中の中性脂肪やコレステロールの量を調整を助けたり、アレルギー症状を緩和したりといった働きをします。また、不飽和脂肪酸の含まれる量は、普通の豚の1.2倍で、コレが普通の豚よりもあっさりとしている理由です。


現在、沖縄で生産されている福幸豚は、出荷する6か月前から、病気などの予防に使われる抗生物質を与えず、ゆったりとしたスペースで大切に育てられています。飼料のせいか、薬を与えないせいか、他の豚と食べ比べると、そのおいしさは格別。ジューシーで味わい深く、そのおいしさは、何も知らない子どもが、食べ比べをすると好んで福幸豚を選ぶほど。福幸豚は、オンラインショップで購入可能です。東京だと、まい泉で味わうことができます。

飼育されてから口に入るまで、安心な福幸豚は、体はもちろん、心も満たしてくれます。福幸豚に出会ってから、食品を選ぶときにも、環境に配慮しているのかという意識を強くもつようになりました。

[福幸豚,まい泉]

photo by Thinkstock/Getty Images

text by 高田薫
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コピーライターを経て、住まい、美容、医療などを中心に、雑誌やWebサイトで執筆・編集をするフリー編集ライター。植物の力を活かして元気になれるフィトセラピーや、化粧水、香水づくりや、タロットなどの占いや月の動きなどスピリチュアルなど幅広く興味を持つ。心身ともに健やかになる、魅力的な情報を探して発信!

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