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生きづらいのは「大人のADHD」のせい?症状を解説

2022/02/28 18:00 投稿

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──ライフハッカー[日本版]より転載

ADHD(注意欠陥・多動性障害)を抱えた生活とは、いったいどのようなものなのでしょうか。

ADHDについてはさまざまな誤解が存在しています。多くの人が思い浮かべるのは、じっと座っていられない男の子かもしれません。

また、世間では一般的に、大きくなるにしたがって症状は自然に消えていくのだろうと考えられています。

「もしかすると、自分は大人のADHDかも」

ところが実際には、ADHDはそんな単純な病気ではなく、大人になっても治らないケースが多々あります。

その症状も、集中できない、じっとしていられないなど、実にさまざま。

というわけで、子どものころからADHDの症状が出ていたにもかかわらず、正しい診断や治療を受けていない人が数多く存在しています。

「ADHDという病名は、その実態とはかけ離れています。集中力のなさは、症状のひとつにすぎないからです」。ミネソタ大学医学部で心理学を研究するLidia Zylowska氏は、そう語っています。

「もしかすると、自分は大人のADHDかも」

そのように感じている人は、なるべく早く診断を仰ぎましょう。治療を受けずにいると、公私にわたってさまざまな問題が起こるおそれがあるからです。

また、診察を受けるときには、大人のADHDに関する専門医を選びましょう。ADHDをめぐる誤解の多くは、医療分野にも広がっているからです。

以下では、こうしたことを踏まえながら、ADHDとはいったいどんな病気なのかを見ていきましょう。もしかするとあなたも、隠れADHDかもしれません。

「計画を立ててその通りに実行すること」がなかなかできない

ADHDには、「遂行機能障害」という呼び名のほうが適しているかもしれません。「脳の管理システム」と呼ばれることも多い遂行機能は、日々のさまざまな場面で私たちをサポートしてくれます。

たとえば、「目標を設定する」「ものごとに優先順位をつける」「計画を立て、たとえ紆余曲折しても最後までやり遂げる」といったことが可能なのは、遂行機能が働いているからです。

この遂行機能は、3つの主要構成要素で構成されています。「作業記憶」と「認知的柔軟性」「抑制制御」です。

この遂行機能のおかげで、私たちはものごとに注意を払い、優先順位をつけ、目標を設定することができるほか、計画を立て、周囲の反応に合わせて調整しながら完遂することも可能となります。

これらすべてに必要なのが、長期的な思考と、変化する要因に順応する能力、障害に直面してもやり続ける自制心です。

ADHDの人たちには、遂行機能を構成するこうした要素をどれも、うまく使いこなせない傾向が見られます。

「やるべき新しいこと」をいつも探している

ADHDの原因は、神経伝達物質のドーパミンとノルエピネフリンの不足と考えられています。

ADHDの人はこの不足を、「ドーパミンを刺激する行動」に絶えず向かうことで補おうとします。それが、身体的・精神的な落ち着きのなさという結果を生んでいるのです。

The Queen of Distraction: How Women With ADHD Can Conquer Chaos, Find Focus And Get More Done』の著者で、心理療法士でもあり、自身も大人になってからADHDと診断を受けたTerry Matlen氏は、次のように語っています。

私がカウンセリングを行ったADHD患者は誰でも、外見上はハイパーアクティブ(活動過多)でなくても、その脳には、ある種のハイパーアクティブ状態にありました。脳が新しいことを絶えず求め、学びたがっているのです。

ADHD3つのサブタイプ

ADHDには3つのサブタイプがあります。「多動性・衝動性優勢型」と「不注意優勢型」「混合型」です。

多動性・衝動性優勢型の人は、自分の物理的環境内で刺激を探し求めます。

不注意優勢型の人は、精神的な刺激を探し求めます。

混合型の人は、その両方が混じり合った状態で刺激を探し求めます。

いずれの場合でも、集中力に関する問題が生じます。ADHDの人は、刺激を探し求めるのに忙しいか、衝動を抑えて集中しようとするのに必死で疲れ切っているかのどちらかだからです。

過集中の特性

ADHDが持つもうひとつの側面は、「ハイパーフォーカス」という名前で知られています。ハイパーフォーカスとは、何かに集中するあまり、ほかのことすべてが意識の外へ排除されてしまう状態です。

これはむしろいいことではないかとも思えますが、ハイパーフォーカスはコントロールが難しく、そのせいでほかの重要なことを失念しがちという問題を抱えています。

ADHDは生まれつきのものであり、不安障害やうつ病のように、症状が現れては消える疾患とは異なります。「ADHDは本質的に一過性のものではありません。その人の脳のしくみの問題なのです」と、Zylowska氏は言っています。

ADHDの基準のひとつは、「12歳以前にその兆候が表れているはず」ということです。とはいえ、ADHDの症状は多岐にわたる上に、医師でさえこの病気について誤解しているケースもあります。

そのせいで多くの人が、子どものころにADHDと診断を下されないまま大人になってしまっているのです。

いつも混乱しており、何でも先延ばしにしてしまう

「仕事に就く」「各種料金を支払う」「子どもの世話をする」「自分の心身をケアする」。大人が抱えるこうした責任のほとんどには、かなりの実行機能が要求されます。

つまり、ADHDの人は傾向として、整理やマルチタスクが苦手で、何でも先延ばしにし、仕事をなかなか予定どおりに完了できない可能性があるわけです。こうした問題はどれも、職場と家庭の両方で、さまざまな問題を引き起こすおそれをはらんでいます。

そのため、ADHDを抱える大人の多くは、能力に適した仕事に就けていません。たとえ就けていたとしても、期待される水準に達せず四苦八苦しています。

「憧れの仕事に就きながら、どうすればいいのかわからず途方に暮れる人たちが、私たちのところにやって来ます」とMatlen氏は言います。

彼らはマルチタスクが苦手ですし、プロジェクトを納期までに完了させることもなかなかできません。また、電話が鳴ったり、メールが届いたりすると、動揺して予定が狂ってしまいます。そのため、ほかの人たちについていけないのです。

ADHDの人は、家庭でもさまざまな問題に直面することがあります。

料金の支払いや家の掃除、子どもを時間どおりに迎えに行くといったことを忘れたり、きちんとこなせなかったりするからです。

「そのせいで夫婦が衝突することもあります。一方がADHDについて理解不足だったり、相手がADHDであることを知らなかったりする場合はなおさらです」とZylowska氏は言っています。

何らかの習癖がある

ADHDと診断されないまま大人になった場合、ある種の対処メカニズムを身につけている人たちがいます。無害なものもありますが、その多くはそうではありません。

治療を受けていない人たちは、高い確率で、中毒性のある習癖を持っています。これはセルフメディケーションの一般的な手段です。

その傾向は、スリルを求めるリスキーな行動となって現れることがあります。例えば、自動車レースや、アドレナリン噴出系のスポーツにのめり込んだり、薬物を乱用したりする可能性があります。

過食などの摂食障害を発症することも珍しくありません。また、強迫行為に走ることも多く、テレビ番組をイッキ見する、何時間もぶっ続けでゲームする、ソーシャルメディアに極度な時間を費やすなどのケースもあります。

Matlen氏が指摘しているように、ADHDの人たちには、「刺激が強い」仕事に魅せられる傾向も見られます。

たとえば、消防士や救急救命士などのアドレナリンが出やすい職業や、多くの学習・思考が要求される精神的刺激が強い仕事です。

不安障害やうつ病にもなりやすい

ADHDの診断を受けずに大人になると、不安障害やうつ病といった、ほかの精神疾患を発症する確率も高まります。そうなると、ADHDの診断はいっそう困難なものになります。

ADHDに起因して不安障害やうつ病になるケースもあれば、それぞれが別々に発症するケースもあります。

「大人のADHDに詳しく、この問題を探り当てられる専門医を見つけることができれば、対処しやすくなります」と、Zylowska氏は言います。

不安障害やうつ病が治療された後に、患者が集中力やタスク完了に関して問題を抱えているかどうかが、ひとつの手がかりになるでしょう。

「ADHDの症状が最初に現れた時期」にも考慮すべきです。

また、ADHDは遺伝性の高い病気であるため、ADHDの家族歴も確認しなくてはなりません。

たとえば、きょうだいのひとりが子どものころにADHDの診断を受けていたにもかかわらず、遂行能力にそれほど問題が見られなかった別のきょうだいは、ずっとあとになってからでないとADHDが発覚しないというケースがあります。

診断と治療が重要

上述した項目の一部、または全部が自分に当てはまるような気がする人は、できるだけ早く専門医の診察を受けてください。

診断や治療が受けられない場合には、さまざまな問題が起こるおそれがあるからです。診察を受けて、これまでよりも明確な道が目前に開ければ、気持ちもラクになりますし、困難に対処し始める方法を見つけられるようになります。

大人のADHDがどのようなものなのかについては、さまざまな誤解があります。大切なのは、大人のADHD患者の診察経験が豊富な専門医を見つけることです。Zylowska氏は次のように語っています。

ADHDについて読んでみて、自分もそれに当てはまっているような気がすると思った人は、勇気を出して、周囲に自分を理解してもらう努力をすることが大切です。

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Source: University of Minnesota, Understood, AACAP
Rachel Fairbank - Lifehacker US[原文
訳:ガリレオ

ライフハッカー日本版

image via shutterstock

コメント

むしろ逆手に取って、無計画で単純明快にして
行き当たりばったりだと上手く行くという皮肉
そうやって理屈ではなく、本能で自覚できるタイプは
比較的マシな人生が送れるかもしれない

No.2 26ヶ月前

大抵はADHDじゃなくてただの怠慢だから安心していいよ

No.3 26ヶ月前

>>1
チミは旧「優生保護法」を支持するのか?
遺伝しない精神障碍の増殖を防いでいたのは事実のようだが

No.4 26ヶ月前
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