今回は、サンドイッチをおいしくするひと手間を紹介します。
具材の取り合わせは、考えるのも楽しい
テーブルを華やかにするサンドイッチ、ある日のひと皿。ディルとケイパーきゅうりサンド、にんじんラペとバジルペーストサンド。忙しいときに手でつまめて便利。具材の取り合わせを考えるのも楽しく、何よりおいしい。見た目にも華やかなサンドイッチは、以前ご紹介したケータリングや“ひな弁”でも出番の多いメニューです。
私の定番サンドイッチは「ディルとケイパーきゅうりサンド」「バジルとふわふわ玉子サンド」「クリームたっぷりのフルーツサンド」の3種。
シャキシャキ食感の楽しいきゅうりサンドには、カッテージチーズやクリームチーズをあわせるとコクが出ます。さらに、ディルを混ぜるとなんとも爽やかな香りでおすすめ。
玉子サンドには、相性がいいバジルペーストをあわせます。パンの片面にバジルペーストを塗って、もう片面に玉子をのせてサンドすると、カットしたときの断面が菜の花畑のようにきれいです。
フルーツサンドのクリームは、生クリームだけよりもマスカルポーネチーズや水切りヨーグルトを混ぜておくと、クリームが柔らかすぎず扱いやすくなります。
パンは保湿すると、しっとり切りやすくなる
具材の取り合わせと同じように、気にかけたいのがサンドイッチのしっとり感。断面もきれいに切りたいですよね。
ポイントは、サンドする前のパンをかたく絞った濡れ布巾やラップで包んで少しなじませておくこと。保湿することで全体がしっとりとし、カットもうまくいきます。
また、具材にもサンドイッチをおいしくするひと手間を。基本的なことですが、パンがべちゃっとしてしまわないように、レタスやきゅうりといった具材はしっかりと水分をとること。そしてオイルを上手に使ってパンとの間に油分の膜を作ること。
私の場合、きゅうりサンドは、塩もみしたきゅうりの水分をしっかりとってから、オリーブオイルでよく和えています。玉子サンドは、バジルペーストのオイルがパンをしっとりとさせ、パサつきを防ぎます。
フルーツサンドは、フルーツとクリームをサンドしたら、ぴちっとラップをして15分ほど寝かせてからカットすると、全体がなじんできれいに切れます。
わかってはいても、忙しいとついつい省いてしまいがちな工程ですが、おいしいサンドイッチをほおばったときに味わう幸福感のために、惜しみたくないひと手間です。
松本日奈(まつもと・ひな)
料理家。北イタリア留学中に現地の料理人やマンマから料理を学ぶ。オリーブオイルや白バルサミコなどの調味料を使い、シンプルで素材を生かした家庭料理を提案。レシピ開発やケータリング、ひな弁と活動の幅を広げる。自宅などで開催する料理教室は毎回キャンセル待ちになるほどの人気ぶり。目黒区鷹番にある食材店「ラ・プティット・エピスリー」を営む夫、ふたりの娘、愛犬と暮らす。インスタグラム
写真・文/松本日奈