今回は、日奈さんがお気に入りの「スポンジ」について。
消耗品にも、自分なりの定番を
台所仕事に欠かせない「スポンジ」。長く使い続けるものではないけれど、毎日使うからこそ、ストレスフリーの気に入ったものを選びたいですね。
これまでに100円ショップや雑貨屋さんなど、いろんな所でキッチンスポンジを見つけては、お気に入りを探してきました。環境を配慮して自然に還る素材でできたスポンジもありますし、消耗品の割にびっくりするぐらいお高いものも。
色、硬さ、厚み、さまざまなものを試すなかで、私がたどりついたのは以下のふたつ。
写真左:「キッチンスポンジ(ナチュラル)」(パックスナチュロン)、写真右:「サンドクリーン(中目・小/赤)」(アサヒサンレッド)パックスナチュロン キッチンスポンジ
このキッチンスポンジは、水切れがよく衛生的で、泡立ちもよく、長く使ってもへたらない優れもの。落とした汚れが確認しやすいので、色は決まってナチュラルです。手のひらより大きめで厚みがありますが、ほどよく柔らかくて筒状のものも隅も洗いやすいです。
ふだんの食器やグラス、炊飯用の鍋やお櫃、スープ皿などの軽い汚れは洗剤を使わず、このスポンジで洗い流します。
あまりにもへたらないので、替えどきがわからなくなりますが(笑)、1か月を目安に、最後は玄関のタイル目地や窓の桟などの汚れをとってから、役目を終えてもらいます。
サンドクリーン
鍋にこびりつくような灰汁や焦げなど、このスポンジでは落としにくいなというときは「サンドクリーン」という布たわしの登場です。気になるところを円を描くようにくるくるすると、豆を煮たあとの色素沈着もすっと落ちてピカピカに。鍋の外側もこれで磨きます。
一見「ゴミ?」と思って捨ててしまいそうな見た目ですが、傷つけることなくきれいに落ちるので、料理教室の生徒さんにもおすすめしています。色や目の大きさもいろいろな種類があります。
数年に一度、お鍋などの調理道具を新調するのも楽しみですが、日々台所に立つときの気分をちょっと上げてくれるような日用品にこだわることも大切のような気がします。
松本日奈(まつもと・ひな)
料理家。北イタリア留学中に現地の料理人やマンマから料理を学ぶ。オリーブオイルや白バルサミコなどの調味料を使い、シンプルで素材を生かした家庭料理を提案。レシピ開発やケータリング、ひな弁と活動の幅を広げる。自宅などで開催する料理教室は毎回キャンセル待ちになるほどの人気ぶり。目黒区鷹番にある食材店「ラ・プティット・エピスリー」を営む夫、ふたりの娘、愛犬と暮らす。インスタグラム
写真・文/松本日奈