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おもてなし料理には「華やかさ、ボリューム、味付けのバリエーション」。クリスマスを例に紹介

2021/12/17 18:00 投稿

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料理家・松本日奈さんが、台所を中心にまわる日常や「おいしい」に関わるモノやコト、台所仕事の負担を軽くして楽しいものにかえる“ひと工夫”をつづる連載「テーブルに ひと工夫」。

今回は 、日奈さんが作る「クリスマスの食卓」を紹介します。

娘たちの思い出に残るクリスマスを

みなさんは、どんなクリスマスの思い出をお持ちでしょうか。

私は、サンタのプレゼントももちろん楽しみでしたが、一番はやはり母が作ってくれたクリスマスメニュー。忙しい時季に大変だっただろうなと思う一方で、子どもたちを喜ばせようと楽しんでいたに違いないと、今になってわかります。

私も、娘たちの「おいしい!」という声が聞きたくて、張りきってごちそうのあるテーブルを用意します。

ローストした鴨をスライスし、たっぷりのルッコラと金柑のサラダの上にのせ、バルサミコ酢をかけて。

毎年ローストチキンが定番でしたが、長女が鴨肉を好きになってからは、鴨を焼くクリスマスが続いています。

具材はバゲットのほか、プチトマトやペコロス、ブラウンマッシュルームもよく合います。チーズをとろーりとつけて。

チーズフォンデュを食べたいというリクエストに応えて、眠っていたフォンデュ鍋を引っ張り出します。みんなでテーブルを囲んでディップするって楽しいですよね。溶かしたチーズにシナモンやナツメグを少しだけ加えると、飽きずに楽しめますよ。

長女がデコレーションしてくれたブッシュドノエルは、木の切り株をモチーフにしたフランスの伝統的なクリスマスケーキ。暖炉にくべる薪に見立て、キリスト誕生を祝い、家族の健康を願うといった意味もあるとか。

クリスマスケーキは、リクエストのブッシュドノエル。昨年は、長女がデコレーションをしてくれました。木目はフォークを使うとそれらしくなります。

私は大好きな「ヤドリギ」を飾ります。欧米では玄関や部屋に吊るして楽しむ、クリスマスの定番の植物です。

ツリーを飾るのも素敵ですが、上のケーキの写真のようにミニスワッグを置いたり、オーナメントを使ったりしてテーブルコーディネートを楽しむのもいいですね。

大人も子どもも楽しめるテーブル作りのヒント

写真左:アンチョビエッグは、大皿にたくさん盛り付け、ピックをさすと華やかに。サラダも色とりどりの野菜を選んで。
写真右:ポークソテーは、スライスしてマスタードソースをかけ、マリネしたフルーツとともに。パプリカとにんじんのスープも好評。

昨年ケータリングしたクリスマスメニューの一部もご紹介します。

大人数が集まる席で意識したいのは、華やかさとボリューム、味付けのバリエーション、そして取り分けやすさ。お酒を楽しむ大人だけでなく、子どもたちを飽きさせない工夫も必要になるので、メニュー構成には時間をかけます。

写真左:かりっとオーブンで焼いた蓮根とポテトのローストは、子どもはもちろん、大人のお酒のおつまみにもぴったり。
写真右:子ども用に焼いたツリーやリングをかたどったオーナメントクッキーは、テーブルに彩りを添えてくれます。

ただでさえ忙しい年の瀬ですが、「今年もやり終えた」という達成感(笑)と、家族や友人からの「おいしかった、楽しかった」が、私のとって何よりのクリスマスプレゼント。そしてようやく「さて、お正月の支度と大掃除にかかろうか……」となるのです。

松本日奈(まつもと・ひな)
料理家。北イタリア留学中に現地の料理人やマンマから料理を学ぶ。オリーブオイルや白バルサミコなどの調味料を使い、シンプルで素材を生かした家庭料理を提案。レシピ開発やケータリング、ひな弁と活動の幅を広げる。自宅などで開催する料理教室は毎回キャンセル待ちになるほどの人気ぶり。目黒区鷹番にある食材店「ラ・プティット・エピスリー」を営む夫、ふたりの娘、愛犬と暮らす。インスタグラム

写真・文/松本日奈

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