『先延ばしと挫折をなくす計画術 無敵の法則』(アスコム)は、放送作家・コンサルタントとして活躍する著者が、「やりきる人」になる55のコツを紹介した一冊。スケジュールの「予定」の書き方をひと工夫するだけで、仕事はもちろん家族や大切な人との未来まで変わってくるようです。
「予定」を「計画」にすると実行力がアップする
本書の著者である野呂エイシロウさんは、テレビ番組の放送作家であり、企業のPRコンサルタントでもあるという多忙な人物。学生時代から自分で事業を起こして月収100万円を稼ぎ、現在は「ザ!鉄腕!DASH!!」「奇跡体験!アンビリバボー」といった人気番組の構成作家をしながら、コンサルタント業でも常に20社ほどと契約しています。
そんな野呂さんですが、意外なことに「若い頃の僕は、ものすごくズボラ」だったのだとか。
早くやったほうが楽なのに、つい先延ばしにしてしまう。
原稿や資料作りは締め切りギリギリ。
ダイエットも途中で「また今度」とやめてしまう。
どうすればこの悪いクセは治るのだろう? 性格だから仕方ないのか? そう悩んでいた僕が「やりきる人」になれたのは、「予定」を「計画」に変えたからです。
(『先延ばしと挫折をなくす計画術 無敵の法則』プロローグより引用)
そのためのツールとして、野呂さんが活用しているのがiPhoneのスケジュール。例えば「11:00 〇〇定例打ち合わせ」と書くところを、野呂さんは「11:00 〇〇定例打ち合わせ 宿題になっていた調査データを完璧に報告して役員の信用を勝ち取る」というように、スケジュールに「目的」まで書き込んでいます。
野呂さんいわく「計画」とは、「何かを成し遂げるために方法や手順を考え、企てること」。人間はゴールを設定すれば、そこに自動的に意識が向かうようになります。スケジュールに「目的」を書くことで、単なる「予定」が「計画」になるというわけです。
家族との時間は「スキマ時間」にしない
「予定」を「計画」にすることの力は、仕事だけでなくプライベートも変えてくれます。野呂さんは仕事と同様に、プライベートの「計画」もスケジュールに入れるのだそう。車で移動する時間には「母に電話」と書いておく。最近は家族と過ごす時間が少ないと感じたら、「一緒に駅まで行く」「子供の進路について話し合う」など、一緒にしたいことを書き込んでおきます。
そうすると、何とも家族との時間が充実します。“スターバックスに誘ってみる”だけでもかまいません。するとスケジュールがどんどんいっぱいになります。
仕事や遊びだけでなく、家族とのスケジュールも書き込むことが大事です。
あなたの大切な未来が明確になります。何度も言います。暇つぶしのために家族がいるわけではありません。
(『先延ばしと挫折をなくす計画術 無敵の法則』70ページよりより引用)
野呂さんのように「計画」として時間を押さえなければ、家族との時間は後回しになりがち。忙しいときほどスケジュールを見直して、自分の時間の使い方を分析する必要があるようです。
スケジュールが「幸せな未来の予言の書」になる
こうした認識の背景には、人生は有限であり、すべては特別な出来事だという野呂さんの考え方があります。毎日寝て起きて、やるべきことがある日が明日も来るとは限らない。それは、家族との関係も同じです。
もしかしたら、皆さんの中には、今、家庭がうまくいっていない人もいるかもしれません。それなら、「どんな未来を作りたいか?」「どんな関係を作りたいか?」「家族がどんなふうになると自分は幸せか?」など「こうありたい」を考えればいいのです。そう、あなたが望む家族像を設計し、それを実現するためのスケジュールを入れればいいのです。(中略)大切なのは、あなたが幸せになるかどうかです。あなたのスケジュールはあなたのもの。あなたがどんなふうに幸せになりたいかを考えて、行動に移せばいいのです。
(『先延ばしと挫折をなくす計画術 無敵の法則』74ページより引用)
「予定」を「計画」にすると、スケジュールが「未来の予言の書」になると野呂さんは語ります。本当に大切なことのために、限りある時間を有効に使う知恵がつまった一冊。今年を振り返り、来年の過ごし方に思いを馳せるこの時季、ぜひ参考にしてみてください。
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