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彩りよく、心がほっとするお弁当作りのひと工夫

2021/11/12 18:00 投稿

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料理家・松本日奈さんが、台所を中心にまわる日常や「おいしい」に関わるモノやコト、台所仕事の負担を軽くして楽しいものにかえる“ひと工夫”をつづる連載「テーブルに ひと工夫」。

今回は日奈さんがお弁当を作るときに心がけていることについて。

心と体がほろっとほぐれるようなお弁当を

写真左:夏野菜チキンカレー、アンチョビエッグ、黒米/写真右:ビーフシチュー、烏賊のマリネ、パセリライス

料理家の活動のなかに「お弁当作り」があります。週に一度ほど、オフィスや雑誌などの撮影・ロケにケータリングとしてお持ちするもので、私の名前をとって「ひな弁」と親しんでいただいています。

作るときに意識しているのが「ほっとするお弁当」であること。忙しい仕事の合間に食べるお昼ごはんなので、毎日お母さんが持たせてくれるような、 心と体がほろっとほぐれるようなお弁当を心がけています。誰かが作ってくれたお弁当って、じんわりうれしいですよね。

黄と緑と紫系の素材で、彩りよく

書店の「次世代作家文芸賞」授賞式の際にお作りしたお弁当(ローストポーク、ポテトコロッケ、ビーツのザワークラウト)

私はごはんの上におかずがのっていないほうが好みなので、ごはんの横におかずを詰めます。

茶色いお弁当も個人的には大好きなのですが、彩りで気をつけているのは 黄と緑と紫系の素材を意識して加えること。黄色は卵にお任せするとして、緑は大葉、獅子唐、すだちなどの 手に入りやすいもの。紫系なら赤かぶ、紅芯大根、紫玉ねぎ、食用菊など。

そして、蓋を開けて見たとき、使った食材がわかりやすいように 素材の形をできるだけ残して調理したものを入れるようにしています。これも安心感につながる部分かなと思います。食べる頃にはどんな食感になっているか、想像しながら作っていきます。

4色そぼろのお弁当。隙間に柿と栗の渋皮煮を入れて。スープは前回紹介した「人参とパプリカのポタージュ」。

容器に少し隙間ができたら、最後にひとくち分の甘いものを詰めます。この季節なら、柿や葡萄などの果物や、栗の渋皮煮など。

高校生のとき、母はお弁当によくオレンジピールを入れてくれていました。夏蜜柑の砂糖煮にグラニュー糖をまぶしたものですが、 私はこれに目がなくて、最後にぱくっと口に入れるのをいつも楽しみにしていたものです。ひな弁に甘いものを入れるのは母へのオマージュのようなものでしょうか。

松本日奈(まつもと・ひな)
料理家。北イタリア留学中に現地の料理人やマンマから料理を学ぶ。オリーブオイルや白バルサミコなどの調味料を使い、シンプルで素材を生かした家庭料理を提案。レシピ開発やケータリング、ひな弁と活動の幅を広げる。自宅などで開催する料理教室は毎回キャンセル待ちになるほどの人気ぶり。目黒区鷹番にある食材店「ラ・プティット・エピスリー」を営む夫、ふたりの娘、愛犬と暮らす。インスタグラム

写真・文/松本日奈

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