よじれや癒着はなぜ起きる? 「筋膜」の基礎知識
筋膜とは、その名の通り「筋肉を包み込んでいる膜」のこと。体全体に張りめぐらされ、表層から深層まで立体的に包み込んでいることから、「第2の骨格」とも呼ばれています。
筋膜には、筋肉を保護する作用や筋肉が収縮する時に支える働き、血管や神経、リンパ管などの周りの組織を支える働きなど、さまざまな役割があります。これらの役割を十分に果たすためには、筋膜の滑りがよい状態を保つことが必要になります。
(「Diet Plus」より引用)
筋膜は、コラーゲンやエラスチンなどの繊維でできたやわらかい組織です。そのため、ずっと同じ姿勢のままでいると癒着(くっつくこと)やよじれが起こり、なめらかな滑りが失われてしまうと佐藤さん。
筋膜は、身体全体に張りめぐらされて全身につながっているため、一部のよじれや癒着が他の筋肉や筋繊維にまで悪影響を及ぼし、筋力や柔軟性、運動能力、日常生活の動作などの低下を引き起こし、コリや痛み、疲労感を感じさせる原因にもなるのです。
(「Diet Plus」より引用)
筋肉の柔軟性が低下してしまうと、筋膜への負担はさらに生じやすくなります。そこで考案されたのが、近年話題となっている「筋膜リリース」です。
ストレッチとどう違う?「筋膜リリース」で不調を改善
「筋膜リリース」とは、筋膜のよじれや癒着を解消し、本来の「正しい伸張性」を取り戻す方法のこと。専門家による筋膜リリース施術もおこなわれていますが、日常的な姿勢や動作が変わらなければ、また同じ症状が起きると佐藤さんは指摘しています。
佐藤さんのおすすめは、「フォームローラー」を利用したセルフケア。プロの手によるスペシャルケアよりも、自分でおこなう定期的なケアの方が、コリや痛みの改善には効果的なのです。
筋膜リリースは、道具を使わずに行うこともできますが、フォームローラーという筒状の道具を使うとよりピンポイントに場所を定めて行うことができます。
(1)身体の硬い部分や伸びにくいと感じる部分にフォームローラーを当てます。
(2)当てた場所を身体の重みで圧迫し、圧迫した部分の前後や左右に動かしながら解きほぐすように伸ばしていきます。
以上の手順を1箇所につき1分程度行います。
(「Diet Plus」より引用)
「筋膜リリース」のコツは、ストレッチのように一定方向に伸ばすのではなく、さまざまな方向に解きほぐしていくことだそう。上記の方法で、1日の中で数回に分けておこなうことにより、効果的に筋膜の癒着やよじれを解消できるといいます。
「イタ気持ちいい感覚がクセになる」という声も多い、フォームローラーを使った筋膜リリース。毎日の習慣にすれば、コリや痛みが悪化する前に、筋膜のなめらかな滑りを取り戻すことができるはずです。
佐藤友香(さとう・ゆか)さん
1992年生まれ、福島県出身、東京都在住。1児の母。大学卒業と同時に管理栄養士の資格を取得後、保育園にて勤務。離乳食、乳幼児食、アレルギー食に携わり、栄養相談や食育活動も得意分野。現在はフリーランスとして栄養に関するコラム執筆を中心に活動。
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