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手軽に熱中症対策。市販のトマトジュースが使えます

2021/08/17 18:00 投稿

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暑さに加えて、マスクをつけることでおきやすくなる「マスク熱中症」のリスクも心配。内科、循環器科のエキスパートである池谷敏郎先生(池谷医院院長)が、熱中症予防に効果的なアレンジドリンクのレシピを提案してくれました。

「マスク熱中症」をもたらす2つの原因

「マスク熱中症」が懸念される理由は大きく分けて2つあります。

ひとつは、マスクによる直接的な原因。暑いなかでマスクを着用することにより、体内には熱がこもりやすくなります。マスクの湿気によりのどの渇きに気づきにくくなり、水分補給のタイミングが遅れることも問題です。

もうひとつは、外出自粛による間接的な原因です。いま、自粛による運動不足で、血行不良に悩む人が増えています。この状態で汗をかき、体が脱水症状になると、血液の濃度が高まってドロドロになり、血の塊である「血栓」ができやすくなるのだそう。血栓から脳梗塞が引き起こされることもあるため、非常に危険です。

熱中症予防に「トマトジュース」がいい理由

「マスク熱中症」を防ぐためには、人と2メートル以上の距離が保てる場所ではマスクを外すこと、そして水分補給をこまめに行うこと。加えて日ごろから運動を心がけ、血の巡りをよくしておくことが大切になります。そこで池谷先生がすすめるのが、「トマトジュース」を使った熱中症対策です。

トマトなどに多く含まれるリコピンには、善玉(HDL)コレステロールを増やす効果があることが確認されています。善玉コレステロールは増えすぎたコレステロールを回収し、さらに血管壁にたまったコレステロールを取り除いて、肝臓へもどす働きをします。つまり、悪玉コレステロールが動脈硬化を促進するのとは反対に、動脈硬化を抑制する働きがあるのです。

生のトマトよりもトマトジュースがよい、というのにも理由があります。

野菜や果実などの植物には、強固な「細胞壁」があり、栄養の吸収を阻害しています。トマトをミキサーにかけ、すりつぶして作るジュースは細胞壁が破壊されているので、生よりもリコピンの吸収率が3.8倍高くなるという研究結果もあるとのこと。

手軽に水分補給ができて、抗酸化作用が高く、リコピンによる「血液サラサラ」効果も期待できるトマトジュースは、頼もしい熱中症対策ドリンクというわけです。

「ヨーグルト+梅干し」でおいしくアレンジ

トマトジュースはそのまま飲むのはもちろん、ひと工夫して栄養価を高めるのもおすすめ。池谷先生考案の熱中症対策レシピがこちらです。

ヨーグルトマトジュース&梅干し

【材料】

トマトジュース ヨーグルト(食べるタイプでも飲むヨーグルトでも可) 梅干し はちみつ(お好みで)

【作り方】

ヨーグルトとトマトジュースを1:1の割合でグラスに入れ、よく混ぜる。 梅干しをちぎり、入れる。甘さの好みに応じてはちみつを加える。

冷蔵庫で2~3時間凍らせるとフローズンドリンクになり、夏にぴったりのスイーツとして楽しめるとのこと。

多量の発汗によって、水分のみならずナトリウムやクロール、カリウムなどのミネラルが失われてしまいますが、トマトジュースで水分とカリウムを、さらに梅干しでナトリウムとクロール(塩分)が補給できます。

また、水分を血管内に保つためには塩分のみならずタンパク質も必要です。そこで、良質なタンパク質を含むヨーグルトを一緒に摂取して、熱中症を予防しましょう。

長かった梅雨が明けて、ようやく迎えた本格的な夏。手軽に熱中症対策ができるトマトジュース、そしてアレンジレシピで、暑さを上手に乗り切りましょう。

池谷敏郎(いけたに・としろう)先生
1962年、東京都生まれ。1988年、東京医科大学医学部卒業後同大学病院第二内科に入局。1997年、池谷医院理事長兼院長に就任。臨床の現場に立つ傍ら、内科、循環器科のエキスパートとして、各種メディアへの出演・寄稿に加え講演を行うなど多方面で活躍中。わかりやすく歯切れのよい医学解説が好評を博す。

──この記事は、 2020年8月4日の記事の一部を再編集して掲載しています。

image via Shutterstock

文/田邉愛理

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