今回は「履き心地のよいパンツ」をテーマに、厳選ブランドを履き比べ。前後編、2回に分けてレポートいたします。
弊誌編集長より、このお題を渡され、履き心地のよさそうなパンツを揃え、あれこれ試してみたわけですが、試せば試すほど、なにを観点に選ぶべきなのかが、わからなくなってしまいました(わたしたちは、この迷走を「パンツの沼」と呼んでいました)。そこで編集長とやり取りを重ねた結果、本記事においては、履き心地のよいパンツ=積極的に履いていたいパンツ、と定義づけたいと思います。
食い込む、端が捲れ上がる、股位置がずれるといった、着用時のストレスがないのは当然のこと。そこに加えて、包まれているような安心感をもたらすホールド力がある、あるいはサステナビリティが徹底され、環境負荷も少ないなど、肌当たりのよさ以外からも爽快感が得られるものこそ、「履いていたい!」と感じるパンツなのではないかと考えたからです。
多くの人が、24時間365日、入浴中を除き、ずっと履いているであろうパンツ。暮らしの心地よさアップの1つとして、パンツを改めてみてはいかがでしょう。
ホールド力抜群。なのに腰まわりモッタリせず、快適! なトランクス&ボクサー2選
「モンベル」のハイテク繊維を使った極薄パンツは、汗をかいてもさらさら、冷え知らず
お尻の肉が布からはみ出す心配がないトランクスタイプのパンツは、包まれているような安心感が高いのが魅力。ですが、これまで履いたトランクスタイプは、太もも部分の端がクルクル、ウェスト部分もクルクル……と、太ももや上体を動かすたびに捲れ上がる(下がる)不快感がありました。
スポーティなルックスの「ジオライン メッシュ ショーツ」2,970円(税込)。汗を素早く吸い上げ、広範囲に拡散させ、外に逃がすことで快適な履き心地を実現。10cm角の生地に一定量の水を垂らして吊り干しし、乾燥までにかかる時間を計測したところ、その乾燥時間は一般的なスポーツ系アンダーウェアの半分以下という結果に(ブランド試験データより)。ピタッ!! とボディラインに沿い、この捲れストレスから解放してくれたのが、「モンベル」の「ジオライン メッシュ ショーツ」。サイズ表を基にヒップに合わせてジャストサイズを選択したところ、着用1日目は、太ももへの締めつけがやや強いかな?、と感じたものの、2日、3日と着用回数が増えるごとに全体のフィット感がアップしてゆきました。
さらに同製品において特筆すべきは、服の表にラインが響きにくい極薄の素材で、春夏には涼しく、秋冬には暖かく身につけることができる点。
その秘密は、ブランドが誇る繊維加工技術にあります。繊維の表面に親水加工を施すことで、生地が汗などを素早く吸い上げられるほか、繊維間の微細な隙間が吸い上げた汗を広範囲に拡散し、ウェア内の湿度を低くキープ。また、繊維間や生地層の間に空気をたっぷり保持するため、体温を逃がさず、暖かさを持続してくれるのだそう。
6月から7月にかけて試着を行った筆者。下着をぐっしょり濡らすほどの汗かきで、普段はパンツが身体に貼りつくのを気にしていましたが、本製品はたとえ汗で濡れたとしても肌と触れ合った感触はさらさらでしたし、濡れた部分が乾き始めても腰回りに冷えを感じることはありませんでした。
繊維に銀イオンを発生させる成分が練りこまれ、発生した銀イオンがにおいの原因となる細菌を減少させる制菌効果もあるそうで、半永久的な防臭効果が望めるのも嬉しいポイントです。
[モンベル]
ふわふわ素材で、極上の肌あたり。締めつけなしで、美しい後ろ姿に導く「グンゼ」
ヒップが大きいというか、出っ尻な筆者。ゆえにアイテムによっては、パンツの後ろ部分がタイトに感じられたり、布が攣れてお尻の下の部分がパンツからハミだしたりすることが。
この悩みに対応してくれたのが「グンゼ」の「トゥシェ3D立体成型 レギュラーショーツ」。身体の凸凹や動きに自然にフィットするよう、部位ごとに編み方を細かく使い分け、生地の伸び方を変えて編むという、グンゼオリジナルの編織方法・立体成型編みが採用され、ヒップをつぶさず、自然な丸みをキープしてくれる優れものです。
ヒップをつぶさない立体成型編みによって自然な丸みをキープすると同時に、ヒップの格好悪いラインを出にくくする「トゥシェ3D立体成型 レギュラーショーツ」1,100円(税込)。ヒップと太ももの境目をカバーする一分丈のボクサータイプなので、後ろ姿が美しく見える効果も(嬉)。ボディラインを補正するガードルとは違い、窮屈さはゼロ!
丸編み(筒編み)によってサイドの縫い目がないことや、股部分がキメ細かなパイル状になっている点も、肌あたりがやさしく感じられる一因です。
タテヨコにストレッチが効いていて、身体のラインに絶妙にフィット。ウェストや太もも部分を締めつけにくく、動きやすい。ウェストやや高め位置まで、ふわふわ素材がすっぽりと覆うので、夏に履くと暑いのかな? と危惧していましたが、杞憂に終わりました。というのも、外出を自粛し、座って作業する時間が増加。この運動量の低下とお尻の圧迫などの影響からか、腰回りが特別冷えるようになっていたので、エアコンの効いた室内では、身につけているとほっこりとして気持ちいい❤という感じ。
惜しむらくは、サイズをMかLかで迷い、Lを選んだのですが、ストレッチ性が非常に高いためMでよかったかも……という自分自身の選択。リピート買いの際には、間違いなくMを入手しようと思います。
[グンゼ トゥシェ]
極上のパンツ探しは、後編に続きます。
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