平年より約3週間も早く訪れた梅雨。梅雨支度がまだ整っていないかたもいらっしゃるにちがいない! ということで、2021年の雨シーズンにぴったりのシューズをピックアップ。
濡れても快適な履き心地をキープできるのはもちろん、仕様がサステナィブル設計であったり、シューズ製作1点につき植樹がなされたりと、環境配慮されたモデルこそ、今年らしい。おすすめ3選をご紹介しましょう。
樹木を生み出すラバーブーツ!? 「AIGLE(エーグル)」が放つ気候変動危機へのメッセージ
1853年、ヒラム・ハッチンソンがフランス・モンタルジに設立したゴム工場が起点となり、スタートした「AIGLE」。
創業167年の老舗ブランドは、今シーズン、同じく仏発ブランドの「FAGUO(ファグオ)」とコラボレートしました。生まれたのは、ファッションと環境に対する社会的責任を結びつけ、気候変動危機の時代だからこそ伝えたいメッセージを込めたという、コンセプチュアルなコレクション。アイテムに再生素材を用いるほか、カーボンニュートラルを目指し、アイテム製作1点につき仏国内に1本の植樹がなされるのだそう。
耐久性に優れる天然ゴムを再生させたラバーブーツ23,100円(税込)。ブーツ全体には樹木を思わせる年輪のデザインが施され、サイドにはAIGLEとFAGUOのコラボレートロゴが配されている。コレクションには、創業時から愛されるアイコン的存在のラバーブーツもラインナップ。ラバーブーツを作る際に排出される天然ゴムの残りを溶解し、再利用した、再生天然ゴムから作られています。シンプルなシルエットがメンズライクな雰囲気を醸すショートタイプで、ストライプのスポーツソックスを履き口から覗かせるなど、靴下との合わせが楽しい一足。
[AIGLE]
あらゆるパーツにエコ素材を用いた「PALLADIUM(パラディウム)」の防水シューズ
航空機のタイヤ製造会社として1920年にフランスで創業した「PALLADIUM」は、仏軍兵士のための屈強なブーツの製作依頼を受け、1947年、「PAMPA(パンパ)」を完成させました。
このヘリテージモデルをベースに、環境配慮型防水ブーツとして進化させたのが、2020年登場の「PAMPA LITE+ RCYCL WP+(パンパ ライト プラス リサイクル ウォータープループ プラス)」。
アッパーにはペットボトルのリサイクルポリエステルを100%、アウトソールトトゥーキャップにはリサイクルラバーを15%など、PALLADIUMの防水シューズとして初めてエコ素材を使用した「PAMPA LITE+ RCYCL WP+」各15,180円(税込)。2021年登場の新色は、左からオンブル・ブルー、ローズ・ダスト、ムーン・ロック。環境負荷低減の必要性について1990年代から言及し、持続可能性の高いモノづくりと長らく向き合ってきたブランドだけに、同作は防水シューズでありながら、アッパー、アウトソール、インソール、クッション部分、シューレース、ライニング……と、ほとんどのパーツにリサイクル素材が使われ、靴紐先端のシューレースチップには微生物によって分解される素材が配される徹底ぶり。
耐久性が高いのはもちろん、防滑性にも優れ、雨水が入りにくく、靴内は蒸れにくい設計。今春は新たに3色が登場し、なかでもローズ・ダストは、雨の日の気分も上げてくれるかわいい色味です。
製品のライフサイクル全体で高いサスティナビリティ意識を持つ「HUNTER(ハンター)」
スコットランド発祥のゴム製ブーツブランド「HUNTER」の主なレインブーツは、すべて、100%ヴィーガン認定を取得しています。天然ゴムを用い、職人の手作業で作られる美しいブーツは、その製造プロセスに動物性素材や動物性副産物が一切使われていません。
製造体制においても、同ブランドのサスティナビリティ意識の高さはうかがえます。たとえばゴム農場や製造工場が、自然環境に影響を与えていないか、労働者の安全と公正な労働条件を満たしているかなどを徹底監査したうえで提携先を決定。製造工場はゴム農場の近くに設けることで、製品全体の二酸化炭素排出量を削減しています。
HUNTERのブーツは、本体を液体天然ゴムに浸ける製法により、継ぎ目がなく、脚に絶妙にフィットする。写真はサイドゴアがアクセントの「オリジナル チェルシー ブーツ ブラック」17,600円(税込)。環境も、そこに携わる人をも大切にし、多くの名品を輩出してきたHUNTERの中でも、これからのシーズンに適しているのがショートブーツタイプの「チェルシー」。足首の周囲が広く、かかととアキレス腱の周囲のカーブが大きいため、フィット感が高いのが特徴。ナイロンのプルタブにより着脱が簡単なのもうれしいポイントです。
「オリジナル チェルシー ブーツ」各17,600円(税込)※左からダーク オリーブ、ミリタリー レッド。HUNTERでは、万一、売れない在庫が出た場合、世界中のNPOを通じ、貧しい国の農家や紛争から逃れた難民などのもとへ寄付。また本国では使用済み製品を回収し、アップサイクルさせるサービスも実施しているのだそう。[HUNTER]
せっかくのお出かけなのに、雨か……と落ち込む前に、お気に入りの防水シューズを用意しましょう。恵みの雨を待つ植物よろしく、雨が降る日が待ち遠しくなるはずです。
コメント
コメントを書く