食事を自分で作る人なら、オリーブオイルのボトルがいつもキッチンにあることでしょう。
ドレッシングやディップ用のソース、炒め物にまで使えるオリーブオイルは、常備されている調味料のなかでも、特に用途が広いものの1つ(英文記事)です。
ただし、料理のニーズに最適なものを選ぼうとすると、注意すべき点がいくつかあります。
食料品店にずらりと並ぶオリーブオイルから買うべき品を選ぶ時には、以下で挙げるいくつかのチェック項目に注目してみてください。
1. 日付をチェックする
牛乳や卵といった要冷蔵の食品なら日付をチェックすると思いますが、オリーブオイルについてもチェックを忘れないでください。
米カリフォルニア大学(UC)デービス校オリーブセンターによると、優れた生産者ほど、オリーブの収穫時期を明示するそうです。
収穫時期は、北半球(カリフォルニア、イタリア、スペインなど)では通常11月と12月、南半球(オーストラリアや南アフリカなど)では5月と6月なので、最近収穫されたもの(英文記事)を選ぶと良いでしょう。
ただし、オリーブオイルのボトルに記されている「賞味期限」に惑わされないようにしてください。
その日付は、オリーブが加工された日ではなく、ボトルに詰められた日から2年後に設定されていることが多いためです。
そのせいで、「賞味期限」は品質指標としては信頼できなくなっているとUCデービス校は指摘しています。
例えばエクストラバージンオイルなら、収穫時期から18カ月以内の使用が最適とされているので、「賞味期限」前に劣化してしまいます。
2. 認証シールの有無を確認する
米農務省の定める最低限の基準よりも厳格なガイドラインに準拠したオリーブオイルを選ぶことができます。
カリフォルニア・オリーブオイル理事会(COOC)や、オーストラリアオリーブ協会といった生産者団体の発行する認証シールの有無を確認すると良いでしょう。
こうした認証シールを得るには、オリーブオイルがより高品質の基準を満たしている必要があります。
ただし、金色のシールが貼られているからといって、最初に目についたものを適当に買うのはやめましょう。
UCデービス校によれば、上記以外のラベルは、同等の品質を保証していない場合があるそうです。
カリフォルニア・オリーブオイル理事会および北米オリーブオイル協会(NAOOA)のウェブサイトで、こうした認証シールを得ているオリーブオイルを探すこともできます。
3. 種類の違いを理解する
オリーブオイルにはいくつかの種類がありますが、そのせいで購入する際にちょっとした混乱が生じます。
以前説明したように(英文記事)、店頭に置かれている可能性が高いオリーブオイルは、通常は3種類です。
・「レギュラー」オリーブオイル――少しでも印象を良くするために、ボトルには単に「オリーブオイル」または「ピュアオリーブオイル」と記されています。
この種類のものは通常、バージンオリーブオイルと精製オリーブオイルがブレンドされているので、少なくとも一部は熱処理や化学的処理が行われていることになります。風味にこれといった特徴はなく、どのような料理にも使えます。
・エクストラバージンオリーブオイル――2000年代のフードブロガーが「EVOO」と呼んでいるものです。これは良質の精製されていないオイルで、色味と風味がもっとも豊かであり、抗酸化物質ももっとも多く含まれています。
料理にも使えますが、発煙点(油を火にかけてから煙が出始める温度)が非常に低い(摂氏163度から191度)ことは知っておきましょう。また、高温で調理するとオイルの香りが飛んでしまうため、お高いエクストラバージンオリーブオイルは、料理の仕上げ(英文記事)やソテーにとっておくと良いでしょう。
・「ライト」オリーブオイル――これは、カロリーがカットされているという意味ではなく、風味と色味が薄いオイルです。精製されており、発煙点が高い(241度)ため、揚げ物にも使えます。
お店に行く前にオリーブオイルの使いみちを考え、どの種類を購入するかの判断材料にしてください。
4. 産地をチェックする
これについては、話が少々曖昧になります。
北米オリーブオイル協会によれば、オリーブオイルの生産者には原産地を明記することが米連邦法で義務づけられているのですが、これはいくつかの異なる解釈が可能なのです。
ワイン醸造の専門家Nicolas Coleman氏は、レシピサイト「Serious Eats」のインタビューで、重要なのは、ボトルに国名と原産地が表記されていること(英文記事)だと述べています。
優良なオリーブオイルブランドなら、産地がどこかを正確に伝えてくれるはずです。そのため、それ自体が品質の高さを物語る要素になります。
ただ「イタリア産」と記されているだけ(英文記事)では不十分だ、とColeman氏は語っています。
それだけでは、実際にイタリアで生産されたのではなく、単にイタリアで瓶詰めされて出荷されただけという可能性があるからです。
一方、北米オリーブオイル協会も指摘しているように、複数の国で作られたオリーブオイルを混ぜることは、特定の風味や特徴を出すために一般的に使われる手法なので、複数の国名や地域が記されていても警戒する必要はありません。
オリーブオイル産地の優劣については、リンゴやオレンジの場合と同じ。
Coleman氏によれば、「優れた」オリーブオイルの生産を独占する単一の国や地域は存在しません。
オーストラリア、南北アメリカ、および南部、地中海沿岸地域で上質のオリーブオイルが生産されているそうです。
5. 容器に注意
オリーブオイルは熱や光から保護しなければならないため、適切な容器で保管することが重要です(英文記事)。
UCデービス校によると、理想的な容器は暗い色のガラスや缶ですが、ラベルで広く覆われているか箱に入っていれば、透明なガラスでも良いそうです。
また、店内の陳列棚の配置もないがしろにはできません。「ボトルが棚の最上段に置かれていてたくさんの光が当たっていれば、品質が劣化するかもしれない」とカリフォルニア・オリーブオイル理事会は説明しています。
同じことは、埃の溜まったボトル(おそらく長期間そこに置かれているため)や、オレンジ色を帯びたオイル(蛍光灯の光や熱に長期間さらされているため)にも言える、と北米オリーブオイル協会のガイドラインには記されています。
Image: Shutterstock
Source: About Olive Oil(1, 2), COOC(1, 2), UCDavis, Serious Eats
Melanie Pinola/Elizabeth Yuko - Lifehacker US[原文]
訳:風見隆/ガリレオ