ギフトとして絵本を頂いたのがTara Books(タラ・ブックス)との出会いでした。そのあまりの美しさに一瞬で虜になってしまいました。
インドのアーティストの才能を発信する出版社
タラ・ブックスは1994年に南インドのチェンナイで設立されました。インドの人里離れた田舎に住む部族出身のアーティストの才能を世界中に発信し、過小評価されている文学作品やアート作品をサポートするのが目的。ここでは、子供向けから大人向けまでの絵本やアートブックを出版しています。
インド古来から伝わる染料を使用
精巧な絵はアート作品を見ているよう
全て手作りで、フェアトレードの絵本
一般の出版社とタラ・ブックスが異なるのは、絵本の全てがチェンナイ郊外にあるフェアトレードワークショップで、職人による手作業で制作されていること。手透きの紙にシルクスクリーンでの印刷、そして製本までが全てハンドメイド! 印刷に使われるインクも、古来からインドで使用されている無毒の染料を使用しています。また、制作の途中で発生する半端な紙は、捨てずに再利用しリサイクルするという、地球にやさしい出版社です。
(タラ・ブックスの手作り絵本ができるまで)
最も有名な絵本は2008年にボローニャ・ブックフェアでラガッツィ賞(ニューホライズン部門)に輝いた「The Night Life of Trees(ザ・ナイト・ライフ・オブ・ツリーズ)」。これは、夜になると本性を現す聖なる木をめぐるインドの神話に基づいたストーリー。世界中の言語に翻訳されており、日本でも「夜の木」という邦題で2012年から販売されています。独特なデザインは力強くて美しく、とても神秘的です。
一冊ずつ丁寧にハンドメイドされた絵本は実際に手に取った人にしかわからない温もりに溢れています。それはまるで美術品のよう! 持っているだけで幸せな気持ちになり、飾っておきたくなってしまう程美しい絵本。ぜひ実物を見て、その美しさを感じてほしい! と心から思います。
(石井真代)
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