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だるさ、眠気、取れない疲れ…。女性ホルモンをチェックしてみて

2020/12/18 18:00 投稿

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自分の体をきちんと知ろう! がテーマの連載「カラダ戦略術」。前回は「ホットフラッシュの対処法」について、お届けしました。今回は、「更年期特有の疲れやだるさ」について、女性医療ジャーナリストの増田美加がお伝えします。

疲れがとれず、いつもだるいのはなぜ?

徹夜をしても若いころはなんとかなったけれど、更年期になると寝不足が続くだけで風邪を引いたり、だるくなったり。仕事の効率が上がらなくなることも増えてきます。

また、食べると眠くなってしまうことも。夕食後、疲れてソファーから動けなくなって、「どうしてそんなに寝てばかりいるの」と家族から指摘されたり……。

食事をして胃腸が働くと、血流がそこにいってエネルギーを使います。すると、疲れてだるくなってしまうのです。

睡眠時間が長くなりがちなのも、更年期の疲れのあらわれです。

更年期特有の疲れは、程度が軽くてもいつまでも続きます。若いころ激しい運動をしたあとや、根を詰めて仕事をしたあとの強い疲労感とは違います。

更年期女性の7割が悩まされるという疲労感倦怠感。更年期特有の疲れはどのように対処すればいいのでしょうか。

不調は一過性。気楽に構えて

女性ホルモンが低下すると、疲れやすくなり、疲労回復が遅れます。すると意欲まで減退し、やる気も出なくなります。

とくに更年期世代は、仕事でも家庭でも役割が多く、人生の中で忙しい年代です。今までどおり、仕事や家庭生活がこなせないと、実際以上に体力が落ちたように感じられます

しかし、疲れや倦怠感も、更年期による女性ホルモンの低下や自律神経の変調を調整しようとして、体全体が反応した結果なのです。

今は、スローペースで過ごす時期と割り切って、焦らず無理をしないようにしましょう。一過性ですから、時期が来れば体も心もまた元気になります。気楽に構えましょう。

病気が原因のこともあるので注意

疲労感や倦怠感は、貧血や内臓の病気、甲状腺の病気、うつ病などでも起こります。病気が隠れていないか、内科や婦人科で検査を受けましょう

検査で異常がないのに、症状が良くならない場合は、更年期障害が考えられます。婦人科で相談をしてみましょう。

自律神経調整剤や精神安定剤、ホルモン補充療法(HRT)、漢方療法などによる治療が行われます。場合によっては、カウンセリングもよいかもしれません。

エストロゲン剤が女性を元気に

女性ホルモンのひとつであるエストロゲン剤を使った治療が、ホルモン補充療法(HRT)です。ホルモン補充療法を試してみるのもいいかもしれません。

エストロゲンは、意欲を出す、気持ちを明るくする、集中力を高めるなどの心の作用もあることがわかっています。

ヨーロッパでは、長年、女性の健康のためにエストロゲン剤が使われています。

また、閉経前の女性なら、低用量ピルを使ってもよいといわれています。1~2か月使ってみて、調子が良くなったら、女性ホルモンが低下していたのかもしれません。

更年期を、自分と向きあういい機会に

生活リズムを整えることは大切です。十分な睡眠を確保します。疲れやすい状態であることを家族にも伝え、夜はできるだけ決まった時間に寝て、体調を整えましょう。

また、体調が悪いときは、仕事量は少なめに工夫して、こまめに休みます。仕事も家事も1日の量を今までより少なめにして、ゆとりのあるスケジュールにしましょう。疲れは、更年期の症状を強くします。頑張らずにいきましょう。ずっとこのままではありません。更年期の一時が過ぎると、また元気になります。

体を動かして筋肉をつけることは、人生100年時代の一生の財産になります。筋肉は毎年1%以上減っていきます。筋肉がつくと、体力もついて、疲れにくい体がつくれます。

疲れがとれないからと、ゴロゴロ休むばかりではなく、むしろ体を動かすと気分がすっきりして、メンタルにもいい効果が期待できます。

手軽にできるウォーキングやヨガ、ピラティスなど、長続きする自分に合った運動を見つけるには、更年期が最もいい時期と言えるでしょう。

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増田美加・女性医療ジャーナリスト
予防医療の視点から女性のヘルスケア、エイジングケアの執筆、講演を行う。乳がんサバイバーでもあり、さまざまながん啓発活動を展開。著書に『医者に手抜きされて死なないための 患者力』(講談社)、『女性ホルモンパワー』(だいわ文庫)ほか多数。NPO法人みんなの漢方理事長。NPO法人乳がん画像診断ネットワーク副理事長。NPO法人女性医療ネットワーク理事。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会会員。公式ホームページ

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