タイトルの通り、経営者やエグゼクティブを中心に注目されているというコンシャスネスですが、じつは日常を穏やかに、充実感を持って過ごすためのヒントがたくさん。今回はここから、正体不明のモヤモヤ・イライラを解き明かす「4つのステップ」をご紹介します。
モヤモヤした不安は「苦悩」のサイン
日本ではまだ耳慣れない「コンシャスネス」という言葉。東洋哲学と西洋のリーダーシップ論を融合させたもので、パタゴニア、スターバックス、コストコ、IKEAなど、大手企業のCEOもコンシャスネスの学びを始めているといいます。
どんなに優れて見える人でも、仕事やプライベートではさまざまな「苦悩」に直面するものです。レッスン5に登場するのは、SNSで発信力のある魅力的な女性。以前はSNS以外にも本業がありましたが、ストレスのために退職。これからSNSでいかに収入を得ていくのか、将来への強い不安を抱えていました。
一緒に暮らす母とは意見の食い違いばかり。恋人とも別れてしまい、結婚して幸せそうな妹家族を見ていると、なんだか取り残された気分になる──と、個人カウンセリングで苦しみを語ります。
彼女の不安やモヤモヤした気持ちは、コンシャスネスでいう「苦悩の状態」のサイン。私たちは多くの場合、いつの間にか「苦悩の状態」に陥り、「何かが違う」と思っても見ないふりをしてがんばり続けてしまいます。
しかし、この状態のまま行動し続けるのは危険なこと。視野が狭くなって正常な判断ができず、仕事も人との関係もうまくいかなくなるからです。
苦悩を解消する「4つのステップ」
「苦悩の状態」を解消するためには、自分自身の心と向き合い、苦悩の根本を探らなくてはなりません。
そのための方法として提案されるのが、苦悩を解消する「4つのステップ」です。
苦悩を解消する「4つのステップ」
ステップ1:自分の心の状態が「苦悩の状態」であることに気づく
ステップ2:頭の中の思考を15個以上挙げる
ステップ3:苦悩の本当の原因を知る
(A)自分を中心にした立ち位置から出てきた思考の割合を確認する
(B)自分がしがみついている理想像を探す
ステップ4:正しい行動を考える(『世界のエリートが実践する 心を磨く11のレッスン』35ページより引用)
人はよく、「相手が〇〇だから」「状況が〇〇だから」、自分が苦悩しているのだと思いがち。しかしどんな苦悩も、その原因は自分自身のなかにあると捉えるのがコンシャスネスの学びです。
苦悩が生まれる理由は人によって違います。だからこそ、ステップを踏んでじっくり自分と向き合うことが大切。
そうすれば自分で「苦悩の状態」を解消できるようになり、自分の人生をより良くするための最善の方法を考えられるようになるといいます。
大事なのは「自分が執着する理想像」に気づくこと
レッスン5の女性が「4つのステップ」を実行したところ、なんと8個もの「理想の自分」をもっていたことが判明。キャリアやプライベートでの成功者、親孝行な良い子、価値のある子……そうした理想像に「近づかなくては」というがんばりが、無意識のうちに自分を追いつめていたことに気づきました。
「苦悩の状態」は、無意識でいる限り解消することはできません。しかし、自分が「苦悩の状態」にあることに気づき、苦悩の本当の原因──多くの場合は「自分が執着する理想像」に気づくと、実体のないものに縛られていた自分をおかしく感じ、苦悩からスッと抜け出せる人が多いそう。
本書に登場する11のレッスンは、どれも身近な問題を出発点に、目に見えない心の状態を意識する方法を教えてくれます。「今、この瞬間」を気持ち良く生きるヒントがほしい方は、ぜひ手にとってみてください。
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